「歴史を動画で知ろう!」第3回の今夜は古生代時代です。古生代とは新生代・中生代と分類される地質時代の大きな時代区分の一つの事で6つの時代(紀)が集約された3つの時代区分の中で時代期間が一番長い時代区分の事でもあります。期間は約5億4200万年前から約2億5100万年前。時代位置としては先カンブリア時代の後の時代で中生代の前にあたる時代になります。第四紀時代から逆算すると第一紀時代になります。古生代にはカンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ぺルム紀の6つの時代が集約されており地球の各時代と各場所で様々な生物達が繁栄していました。時代によって地球を支配していた生物の種は様々で爬虫類・恐竜の中生代や哺乳類・鳥類の新生代と言った具合に特定の生物種のみがその時代区分を支配していた訳ではないという多種多様な生物群が支配していた時代区分でもあります。古生代にはどの生物種がその期間内に地球を支配していたという訳ではなく各6つの時代を支配していたのは様々な生物種なのでどの生物種が時代区分丸ごとを支配していたという明確な話はないのです。ちなみに地質時代の時代設定や時代区分はその時代に生きていた生物種と地球環境によって隔ててるようでAという生物グループが生きている時代はA時代、Bという生物グループが生きている時代はB時代という具合に主にその当時生きていた生物種の地層により時代区分をしているようですね。大量絶滅を境に時代が変わる場合もあるようです。大量絶滅とは地球環境の激的な変化や自然災害、隕石などで多くの生物種が絶滅することを指すようで、地球は過去に5回の大量絶滅を引き起こしてその当時繁栄していた生物の90%以上を絶滅に追い込んだようです。恐竜の隕石絶滅も5回の大量絶滅に含まれます。このような過去に5回起こった大量絶滅をビッグ5と呼びます。(ビッグ5が起こった時代はオルドビス紀、デボン紀、ぺルム紀、三畳紀、白亜紀でいずれも全体の生物種の70%以上が絶滅するといった過酷な天変地異によって引き起こされた大量絶滅でした。)
大量絶滅以外にも小規模な絶滅が何度も繰り返されており、中には当時に多細胞生物が存在していたら全ての多細胞生物が絶滅していてもおかしくない天変地異もありました。多細胞生物が居なかった先カンブリア時代には巨大な隕石によって地球が火の玉と化した全海洋蒸発、2度に渡る全球凍結(スノーボール・アース)がありました。全海洋蒸発はその名の通り、地球の海を塩も残らず干上がらせる地獄絵図のような過酷な状況でした。しかし、当時の微生物はそれにも屈せず地球の地下深くで息を潜めました。地球全体が雪玉のように氷河に覆われた2度の全球凍結の時には葉緑体を持つ藍藻が酸素を放出しメタン菌が二酸化炭素とメタンガスを生み出し、化学反応によって地球に温室効果ガスが生き渡り生命が生きられる環境が構築されました。その時代には既に海綿動物の祖先と思われる動物も生きていました。多細胞生物が誕生して以降は全海洋蒸発や全球凍結のような過酷な地球環境の変化は起こりませんでした。しかし、デボン紀の大量絶滅で85%の全生命、ぺルム紀の大量絶滅では全生命の96%が死に絶え、白亜紀の大量絶滅では全生命の70%が死に絶えていきました。大量絶滅というイベントは1億年毎のスパンで起こるようで2億年後の2度目のパンゲア大陸が形成される時には再びペルム紀の大量絶滅のようなものが起こると予想されています。このように生命の歴史は絶滅と進化の繰り返しでした。大量絶滅を生き延びても大陸大移動や巨大な台風、地殻変動や食糧危機などで食物連鎖のバランスが崩れて小規模な絶滅をしていく種も大勢居ました。また生命自身が生命を絶滅に追い込むこともありました。ニッチ(生態的地位)と棲み分けを進化した新たな動物に奪われると進化をしなかった古い種は生存競争に敗れて絶滅していきました。有史以降では人類が私利私欲の為に乱獲と生態系を破壊して絶滅に追い込んだ動植物も居ます。人類が絶滅に追い込んだ動植物は自然絶滅した動植物を含めると全体の90%を占めるそうです。このように生命の歴史は地球や自然そのものが絶滅に追い込むこともありますが生命自身が生命を絶滅に追いやってしまう例も数多いのです。
新生代の時代区分については少々特殊で古生代や中生代のような明確なライン引きが完了していないようでWikipediaでも「新生代」の項目については具体的な内容よりも学者や学会内での時代区分の議論内容に始終している。新生代には大量絶滅は無いので時代の線引きが難しいんだと思う。大雑把に3紀に分かれる新生代だけど3紀の中でも更に時代区分がされている場合が多い。3紀の分類法はその時代に繁栄していた生物種のグループ分類だけど更にそこから分かれる6つの世は当時の地球環境の変化ごとで分けている。
古生代は一般的に地球上に一番最初に肉眼で確認出来る多細胞生物が生まれた時代と認識されてそうだけど、実は先カンブリア時代にもエディアカラ動物群と呼ばれる軟体上の動植物が生きていたので実際は古生代のカンブリア紀が肉眼で確認出来る生物が生まれた最も古い時代なのではない。一般人がカンブリア紀から肉眼で確認出来る生物が生まれたと考えてしまうのはつい最近のBBCの『ウォーキング・With・モンスターズ』やCS放送のナショナルジオグラフィック、ディスカバリーチャンネル、民放やNHKの古生物番組が原因だと思う。本や図鑑などでは肉眼で確認出来る生物の存在はエディアカラ動物群が最初ということになっている。ただ、テレビなどで生物の歴史番組をやる際に決まって古生代からスタートするのは先カンブリア時代や地球誕生以降の生物の化石が殆ど見つかっておらず情報不足ということとバクテリアや細菌などからエディアカラ動物群までの歴史を扱ってもどうしても地球環境や生物が生きられるメカニズムの説明ばかりに集中してしまって一般人が話に着いていけなくなるからだと思う。あと古生代以前の生物史は映像で見てもあまり面白味がなかったりする。やっぱりメインになるのは地球や宇宙誕生の話ばかりで原始的な生命の話というのは専門的すぎるので語られる事はテレビでは少ない。
古生代はカンブリア紀(約5億4200万年前から4億8830万年前)からスタートした。カンブリア大爆発と呼ばれる現象の結果、生物は爆発的に多様化し今日に見られる動物の門を殆ど出現させた。テレビ東京系列の有名なドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」はこの時代の名前が由来になっている。古い学説ではエディアカラ動物群の何かからバージェスモンスター達に進化したと考えられてたが最近は突発的に発生したと考えられている。動物の門については同時期に一斉に現れたと考えられてるようで無脊椎動物から脊椎動物に進化したとかそうではなくてカンブリア爆発により無脊椎動物と脊椎動物が同時期に現れたとする説が有力になってる。カンブリア爆発により生まれた生物達があまりにもグロテスクで奇妙で現生の動物の面影を残していないのでバージェスモンスターとも呼ばれている。有名なアノマロカリスや三葉虫が繁栄していた時代は主にこの時代で三葉虫は古生代のペルム紀まで生き延びることになる。その為、三葉虫が生息していた時代期間そのものを古生代と分類する事が出来る。この時代から既に背骨を持った脊椎動物が誕生した。ハイコウイクティスやミロクンミンギアなどの無顎類と呼ばれる小型の魚類である。彼等は現生のヤツメウナギなどに似ている。ナメクジウオに似ていると言われていたピカイアは脊椎動物の祖先で無い事が2004年に判明した。
アノマロカリスなどの無脊椎動物が繁栄していた時代にあっては魚類は大型に進化することは出来なかった。動物界的にはこの時代は無脊椎動物や外骨格を持った動物の天下だったと言える。三葉虫やオパビニアなど硬い外骨格で覆われた動物が多種多様に出現した理由はエディアカラ動物群が軟質で覆われた軟体動物でアノマロカリス等の凶暴な捕食者に襲われて絶滅したことをDNAが記録していたので捕食者に食べられぬようにバージェスモンスター群は外骨格で覆われた動物が多数出現したと考えられている。この時代の特徴としては食う者と食われる者という捕食関係、眼という感覚器官の登場、食物連鎖の自然法則が生まれたという革命的な出来事だろう。カンブリア紀以前の生物、エディアカラ生物達は主に光合成や土に含まれる養分を摂取して生きていた。ところがカンブリア爆発で発生した動物達から突然肉食動物と植物食動物が生まれた。他の生命の身体を食べて生きるという生命がこの時代から突如として現れたのである。防衛策を持っていなかったエディアカラ動物群の多くはアノマロカリスやオパビニアなどの捕食動物に食い尽くされて絶滅した。ヨルギアなどの一部の動物は三葉虫へ進化して防衛策を編み出したと考えられる。捕食動物の特徴としては巨大な目と捕食機能を有する触手や歯などを身に着けてる事だろう。食べられる側、被捕食動物は堅い外骨格(三葉虫)や全身を覆う棘(ハルキゲニア)、素早く逃げられる為の全身の舵となる背骨の原型(ピカイア)などを装備して捕食動物から必死に逃げ伸びようとした。カンブリア紀の海はまさに進化の実験場だった。食物連鎖の法則が生まれた事でバリエーションが少なかった生命達は独自に食べる・食べられるに特化した身体の進化を試行錯誤を繰り返していった。カンブリア紀の動物達がユニークで奇妙なデザインをしているのは各々が生き延びようとした結果なのだ。地球史上最初の王者、肉食動物とも言えるアノマロカリスは次の時代のオルドビス紀を迎えるまでに絶滅していった。オパビニア、ハルキゲニア、ウイワクシアなどの独特のデザインをしたカンブリアモンスターも滅んでいった。オルドビス紀までに子孫と種そのものを維持出来たのはハイコウイクチスなどの魚類の先祖や古生代を代表する三葉虫程度だったと言われている。
次の時代のオルドビス紀(約4億8830万年前から4億4000万年前)ではストロマトライトが形成した酸素が蓄積したオゾン層が形成され有害な紫外線を地球が防げるようになった。オウムガイやイカなどの巨大な軟体動物が繁栄する時代だったが超新星爆発によるガンマ線バーストを地球が受けて地球環境が劇的に変化した。この時代に氷河が出来ていたらしいが氷河の消滅と氷床の発達に伴う海水準の低下時によるもので海水準が2回ほど変動したことが大量絶滅の要因とも考えられている。頭に巨大な殻を付けた巨大なイカなどが支配するイカの時代だったと言われている。
シルル紀は4億3730万年前から4億1600万年前にあたる時代で生物の中で一番最初に植物が陸上進出した時代である。この時代から昆虫が生まれたと考えられている。無顎類が顎と鱗を持つ軟骨魚類(ウナギや鮫など)と硬骨魚類(ダンクレオステウスなど)に進化した。昆虫はこれまでの無脊椎動物から進化した動物か宇宙から飛来した動物だと考えられていたが微生物やプランクトン、甲殻類などが突然巨大化した生物種というのが通説となりだしてる。この時代の海の王者はウミサソリと呼ばれる節足動物であり、小型だった軟骨魚類を捕食していたと考えられている。ウミサソリの平均体長は約2m~3m程度だったと言われている。
デボン紀は4億1600万年前から3億5920万年前にあたる時代で「魚類の時代」とも呼ばれる。魚類が様々な魚類に分岐進化していき末期には両生類へと進化する。松のような種子植物が出現し地球最初の森「アーケオプテリス」を形成した。岩石だらけだった地面に植物が根付き死んだ植物や岩石を一緒に上陸したバクテリアや菌類などが分解して柔らかい有機物を含んだ土になっていった。末期までには昆虫と節足動物が上陸を果たすことになる。この時代を支配していた魚類はダンクルオステウスのような10メートル程のクソデカい魚(板皮類)、ダンクレオステウスなどがうじゃうじゃと海を支配していた最悪な時代で天敵が殆どいなかった魚類はこの時代最も大型化していった。我々の祖先である軟骨魚類はダンクレオステウスの捕食から逃れる為に淡水地域へ逃げ込んだ。それとデボン紀末期の海は「無酸素事変」と呼ばれる酸素が全くない大量絶滅イベントを控えていたので、我々の祖先は酸素と餌を求めて淡水地域へ移動したと言われている。淡水地域では既に植物と昆虫が上陸しており、酸素と餌には困らない状況だった。しかし、植物の葉や木の枝などが進路の邪魔になっていたので、一部の魚類はヒレを手足に進化させて邪魔な障害物を払いのける必要があった。ユーノステプテロンと言われる魚類は7本の指に見えるヒレを持っており、それで木の枝や植物の葉を払いのけていった。そして、最終的には肺魚へ進化して、肺を獲得する。現在の魚類の祖先は浮き袋にかつて肺を所持していた事が分かっている。魚類達は食道の一部を肺に進化させて低酸素環境を生き延びたと考えられている。ヒレから手足への発達は止まる事がなく、約3億2000万年前には遂に肺魚が山椒魚のような両生類に進化して陸上進出したと言われている。イクチオステガの登場である。
魚が上陸せざるを得なかったのは南米・アマゾンで生きるジャングルの魚達の生態を見るとよく分かる。6月の乾季に入ると、川が干上がる現象が毎年続く。その時に酸素を確保出来なかった魚達は死んでいき、呼吸が出来る肺魚やムツゴロウのような魚は生き残る。我々の祖先もそういった厳しい環境の中で生き残った強者達だった。川が干上がると、エラで呼吸している魚は生きていけないので、魚たちは食道を変化させて肺呼吸することで乾季が過ぎるのを耐えようとした。その過程の中でヒレが手足に進化したものだと考えられる。
石炭紀は約3億5920万年前から2億9990万年前にあたる時代で昆虫の時代とも呼ばれている。陸上進出した昆虫類が酸素濃度の高濃度環境で大型化し地球の陸地の王者となっていた。最も有名な古いトンボのメガネウラもこの時代。両方の翅の幅は1メートル程あるというクソデカいトンボだった。自動車並の大きさがあると言われる巨大なヤスデ(アースロプレウラ)、10センチの巨大ゴキブリも生息していたようで巨大な昆虫たちは同族や小さかった脊椎動物を食い荒らしていた。この時代に両生類が上陸を果たすが昆虫類が酸素濃度が高い時代で大型化していたので生存競争は激化する。海にも淡水にも巨大な魚類(ハイネリアなど)がまだ繁栄していたので水中生活にも天敵が居た。シダ植物が繁栄すると有羊膜類(爬虫類と哺乳類と無弓類の共通の先祖)が両生類から進化し現れた。有羊膜類とは薄い卵の殻に覆われた卵を産める種の事で産む卵の柔らかさはうずらの卵を連想するといい。哺乳類と爬虫類の先祖はトカゲのような姿をしていたと考えられている。爬虫類の先祖は双弓類と言って、この種類から恐竜と爬虫類に分化していく事になる。恐竜以外の魚竜や首長竜、翼竜などの爬虫類は恐竜以上にトカゲやワニに近縁とされている。カメに関してはトカゲやワニの一族からは少しかけ離れているので、無弓類が先祖だとも考えられていた。哺乳類の先祖であるヒエノムスという小型のトカゲは豊富な餌と高濃度の酸素環境の中で巨大化に成功していった。
古生代最後の時代はペルム紀という。約2億9900万年前から約2億5100万年前にあたるこの時代は両生類の時代と呼ばれるほど両生類が繁栄した。末期に三葉虫が絶滅し地球史上最大規模の大量絶滅(スーパーブルーム)が起こった。この時代には両生類(有羊膜類)が双弓類(爬虫類)と単弓類(哺乳類型爬虫類)に分岐進化していった。巨大大陸パンゲアが出現したのもこの時代。哺乳類型爬虫類はキノドン属やディメトロドン、ゴルゴノプスなど末期に繁栄していたがぺルム紀末期の大量絶滅で絶滅し哺乳類の最初の繁栄はかなり短めに終焉した。大型化し地球を支配していた哺乳類型爬虫類に代わり地球を支配するようになったのは小型爬虫類(双弓類)から進化した恐竜だった。二足歩行するようになった大型のトカゲは次の時代の中生代を大型爬虫類と共に陸・海・空と支配していくことになる。
単弓類はつい最近有名になってきた種類で僕が子供の頃の図鑑ではディメトロドンは恐竜あるいは両生類に分類される動物だった。2000年代に入り、化石の正体が明らかになってきた為かBBCの『ウォーキング・ウィズ・モンスターズ』などでクローズアップされるなどメディアへの露出度も増えていき、NHKの『地球大進化』で一般に認知されるようになった。竜弓類のディメトロドン等が進化した種の事を獣弓類と言う。ゴルゴノプス類やディイクトドンの事だ。哺乳類の直接の先祖はこの獣弓類で大量絶滅を生き延びたのはその中のキノドン属だったと言う。獣弓類はその名の通り、哺乳類しか持たないとされる胎生、横隔膜による腹式呼吸、鱗から毛への変化など中生代に入り自身しか持たない身体能力を身に着けていったという。キノドン属から進化したトリナクソドンは腹式呼吸を、黎明期の母と呼ばれるエオマイアは胎生と子育てを施して獣弓類の生き残りである最古の哺乳類アデロバシレウスは常に夜行性だったと言われる。新生代初期に繁栄を極めた恐鳥類の陰でも哺乳類は常に夜行性だった。その為、哺乳類の視覚、色の認知数は他の鳥類や魚類、爬虫類などに比べてかなり劣っているらしい。アデロバシレウスから恐鳥類が猛威を奮う時代まで夜行性だった哺乳類は目という感覚器官を退化させてまで辛抱強く繁栄の時を待った。トガリネズミのような生き物からキツネザルのようなノタルトゥスに進化するとあとは猿から人へ進化していく一方通行だった。
哺乳類型爬虫類は名称がややこしいけど、グループの定義としては爬虫類的な外見と容姿を備えるが、哺乳類の特徴である犬歯や門歯など様々な歯を持ち、肋骨が胸部周囲にしかないなど骨格的な特徴が哺乳類である動物を指すらしい。また汗腺から必要な栄養分を絞り出して汗水で子育てしていた事も哺乳類型爬虫類の特徴だと言われている。爬虫類よりは哺乳類に近い動物とされるので我々哺乳類の直接の先祖だと考えられている。2000年代に入るまでは日本ではディメトロドン程度の動物しか知られていないマイナー古生物だったが、金子隆一氏が1999年に『ヒトの知られざる先祖』とかいう本を出版した後に徐々に認知度が高まり、BBCの『ウォーキング・ウィズ・ビースト』や『プライミーバル』の映像を各テレビ局が使いまわした事でお茶の間にもリストロサウルスやゴルゴノプスなどが知れ渡るようになった。一般に認知されるようになったのはおそらくNHKスペシャルの『地球大進化』や『哺乳類VS恐竜』というテレビ番組であろうと思われる。現在では中学校の理科の教科書にもこの動物グループは載っているらしい。今のところ、地球を完全に支配した最初の一大グループと認知されている。地球を支配していた動物は中生代の恐竜や大型爬虫類、新生代古第三紀の恐鳥類や新第三紀の食肉目哺乳類などが連想されるが、最初に地上を支配していた一大グループはこの「哺乳類型爬虫類」で確定らしい。ペルム紀を支配していた哺乳類型爬虫類の陰に隠れて暮らしていたのが双弓類と呼ばれる爬虫類で、トカゲのような動きをしていたが後に直立してそれが中生代を支配していた恐竜へと進化していった。爬虫類も哺乳類も元々は両生類の有羊膜類(ウェストロティアーナ)から進化したが枝分かれしたので爬虫類と哺乳類に接点はない。共通の先祖は居るが、哺乳類は爬虫類から進化した訳ではないのである。
古生代の各時代についての大雑把な概要はこんなところです。脊椎動物の大雑把な進化の流れとしては魚類→両生類→爬虫類(双弓類)と哺乳類(単弓類)→鳥類という具合です。厳密には鳥類は爬虫類の恐竜から哺乳類は単弓類から進化したが5種類の脊椎動物のグループで進化順を見るとこんな感じです。古生代は進化の歴史と言っていいでしょう。今日繁栄している脊椎動物の多種多様化を揃えるまでのデモンストレーション的な時代であったと言えます。新生代の項目でも言えたことですが古生代や中生代の生き物は王者になるほど大型化する傾向があるようで絶滅し易いのも大型動物が主流のようです。現代はキリンや象が大型動物にあたりますが古代生物の大きさと比較するとやはり現代の動物はまだまだ小さいと言えそうです。各時代に各種の動物グループが繁栄することはあっても古生代という大きな時代区分の中では具体的にどの生物種が古生代を支配していたかとは言えない。それだけ動物界での天下回しのスピードが速かったんじゃないかと思います。次の時代の中生代では恐竜と大型爬虫類が地球を我が物顔で支配していくことになります。恐竜は古生物とは独立したジャンルで『ジュラシック・パーク』などで非常に人気になった生物の1種なので動画の数が多いので動画は学術的に確立されたものを厳選しようかと思います。
>大量絶滅
突然、多種類あるいは生物種のグループそのものが同時に絶滅することを「大量絶滅」という。地質時代の区分、特に「中生代」や「新生代」の「代」は主に大量絶滅までの動物相と大量絶滅後の動物相の違いから分別している。「紀」は少数の動物あるいは特定の動物や植物が小規模に絶滅した場合に使われる。「ジュラ紀」や「ペルム紀」など。「世」については地球環境や気候変動の変化による分別である。地球史上の大量絶滅は5回あり、いずれも顕生代に属する。大量絶滅は多細胞生物が現れ出した原生代のベンド紀以降5回あった。大量絶滅後は食物連鎖のピラミッド・・・・・・いわゆるニッチを埋める為に弱小・小型だった動物が大型化し捕食者あるいは被捕食者の立場になる場合が多い。ホモ・サピエンスが地球を統治する時代までは3メートル以上の大型動物が古生代のカンブリア紀から新生代の第四紀の氷河期が終わるまで存続していた。動植物は時代を問わず、天敵が居なくなった環境では大型化する傾向が強いようである。5回あった大量絶滅は古生代のオルドビス紀末、デボン紀末、ペルム紀末(P-T境界)、中生代の三畳紀末と白亜紀末(K-T境界)に起こった。境界とは大量絶滅後の次の「代」に至るまでの境目である。つまり、P-T境界は古生代と中生代の中間、K-T境界は中生代と新生代の境目にあたる。生物史は政治システムや身分制度の崩壊、文化・経済レベルの発展などで時代が移り変わる人類史と違って時代の分け目は案外シンプルな構造になっている。有名な大量絶滅、5回あった大量絶滅をビッグ5と呼ぶが、実は大量絶滅は原生代末のエディアカラ紀と完新世にも起こっている。エディアカラ紀の大量絶滅は原因がよく分かっていないがカンブリア大爆発によって飛躍的に進化したバージェス動物群にエディアカラ動物群が食い荒らされて大量絶滅したのだろうというのがエディアカラ紀大量絶滅の定説である。新生代の第四紀完新世の大量絶滅はホモ・サピエンスによる道楽・趣味・金儲け目的などの無闇な狩猟によるものとされている。2012年現在でも哺乳類・鳥類・昆虫類などを問わず様々な動物が人間の手により絶滅していってる。
オルドビス紀末の大量絶滅は超新星爆発によるガンマ線バーストを地球が受けたことによりオゾン層が破壊され有害な紫外線が地表や海中にも降り注ぎ食物連鎖のシステムが破壊されその時代に生きていた全ての生物の85%が大量絶滅したらしい。デボン紀では寒冷化と海洋無酸素事変が原因とされている。海中での酸素欠乏状態が広範囲に拡大し海洋環境の変化に多大な影響を与える化学現象。この時代を代表する板皮類の巨大魚ダンクレオレステスも絶滅した。当時の全ての生物の82%が絶滅した。ペルム紀の大量絶滅は地球史上最大の大量絶滅と言われ、NHKスペシャルの『地球大進化』でもクローズアップされた。主に2つの絶滅説があるが『地球大進化』ではスーパーブルームによる大量絶滅を紹介した。スーパーブルームとはプレートテクトニクスの事で巨大なマントルの上昇流であるスーパーブルームによって発生した火山活動が活発化して大量絶滅になったという説。またパンゲア大陸の形成により火山活動が活発化したという説もある。この絶滅によりその当時食物連鎖の頂点に居た単弓類(哺乳類型爬虫類)の多くが死に絶えた。空いたニッチに小型爬虫類が進化した恐竜が埋まるようになった。恐竜は低酸素の環境でも生き抜く気嚢システムが肺にあったので大型化したという説がある。生き延びた単弓類は横隔膜という筋肉を作り、腹式呼吸を身に付けた。その単弓類のグループが哺乳類の先祖へと進化していった。だが、横隔膜を作り出した結果大型の体で低酸素環境を生き抜く事が出来ずネズミのような動物に小型化して生きるしかなかった。あるいは恐竜に見つからないようにする為に小型化したのかのいずれかである。火山活動の活発化によりメタンと酸素が化合して酸素濃度が著しく低下した。これが中生代の低酸素環境の元となった。ペルム紀にあった酸素濃度30%という高酸素環境は中生代に入ると酸素濃度が10%まで低下した。これは高山の頂点に居るのと同じような環境であると言われている。ペルム紀の大量絶滅では90から95%の動植物が絶滅していった。古生代全体の代表動物である三葉虫も元々数が少なかったところにスーパーブルームの大量絶滅が追い打ちをかけたので完全に絶滅したと言われている。残った5%に哺乳類型爬虫類のキノドン属が含まれていたので、哺乳類のルーツとなるDNAが完全に無くなる訳ではなかった。哺乳類型爬虫類が絶滅した後、再び哺乳類が地球を支配する時代は2億5100万年前から約2億年後先の出来事となる。三畳紀では火山活動の活発化により当時の全ての生物の76%が絶滅した。大型の爬虫類と単弓類、アンモナイト類も数多くの種類が滅んだ。だが、まだ小型だった恐竜はなんとか生き延びた。白亜紀末の大量絶滅は一般的に有名だが全ての生物種の絶滅%は70%程度に過ぎないらしい。実際はペルム紀の大量絶滅の方が絶滅種の数はかなり多かった。恐竜を中心にアンモナイト、翼竜、海洋爬虫類、首長竜が絶滅した。恐竜という生物種のグループが一つ丸々絶滅しているのでインパクトが強く絶滅の代名詞が白亜紀の大量絶滅と言われるのだろうけど、恐竜という種類自体数が減り出して自然淘汰され易い状況になってきてたという説がある。恐竜の絶滅はユカタン半島に落下した隕石の衝突説が有力な説とされている。だが、アラモサウルスのように6500万年から70万年後の世界も繁栄していた恐竜もごく一部居るので隕石による衝突の衝撃だけで恐竜というグループ全てが絶滅した訳ではない。まぁ、古第三紀までに恐竜や大型爬虫類が全て絶滅しているので隕石の衝突から短期間で急速に食物連鎖のピラミッドが崩壊し生態系が崩れて絶滅していったんだろう。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、無脊椎動物などが絶滅せずに恐竜という生物種のみが絶滅したのかは科学者の間でも謎とされている。一般人は恐竜や翼竜は全てが大型動物と連想できそうだがコンソナグプトゥスのように鶏程の大きさしかない恐竜も居たので小型恐竜までも絶滅するのは不自然である。また海中に居たアンモナイトや魚竜などまで絶滅したのも謎である。ペルム紀末期の大量絶滅後の地球環境が低酸素状態だから腹式呼吸と気嚢システムを持たない動物が絶滅するという理由があるのなら納得できる話だが白亜紀末期の大量絶滅後の地球環境や生物相の状態が化石や地層の史料だけでは不足過ぎるので恐竜が絶滅した理由については実はよく分かっていない。
>古生代を支配してきた生物種のまとめ
・カンブリア紀・・・・・・・・・・現在の全ての動物の門が出揃った。アノマロカリスなど現在の動物学では分類出来ない無脊椎動物の時代だった。
・オルドビス紀・・・・・・・・・イカの時代。オウムガイや巻貝などが魚類を捕食していた。魚類は顎を持っていなかった。
・シルル紀・・・・・・・・・・・・・節足動物の時代。2mを越えるウミサソリなどが魚類を捕食していた。植物とバクテリアと菌類と原生動物が陸上進出した。
・デボン紀・・・・・・・・・・・・・魚類(脊椎動物)の時代。10mを越えるダンクレオステウスなどの硬骨魚類とユーノステプテロン(軟骨魚類)に分化する。大量絶滅で硬骨魚類は全て絶滅した。昆虫と節足動物が上陸する。
・石炭紀・・・・・・・・・・・・・昆虫の時代。3mを越える雑食性のヤスデなどがジャングルを支配する。石炭紀半ばで淡水地域で繁栄していた軟骨魚類が両生類へ進化していった。
・ペルム紀・・・・・・・・・・・哺乳類型爬虫類の時代。両生類から有羊膜類へ進化して、単弓類と双弓類と無弓類に分岐進化していった。無弓類は大量絶滅を生き残れなかったが、単弓類は哺乳類に進化して、双弓類は恐竜と爬虫類へ進化していった。乾燥した砂漠と荒野地域だったらしいが、3mを越える肉食性動物が数多く繁栄していた。哺乳類の先祖が哺乳類型爬虫類なので、哺乳類はかつては5000万年ほど地球を支配していた事が分かる。ペルム紀の大量絶滅でカンブリア紀から生息してきた三葉虫と97%の生物種が絶滅していった。
>ご先祖様が手に入れてくれた身体の器官と部位
・カンブリア紀・・・・・・・・・・眼と脳と背骨の獲得。ハイコウイクチスは既にこれらの感覚器官を所持していた。
・オルドビス紀・・・・・・・・・・ヒレの獲得。アランダスピスという魚類は短いヒレで泳いでいたとされる。
・シルル紀・・・・・・・・・・・・・鱗の獲得。プテラスピスは流線型のヒレと鱗で素早く泳げるようになった。
・デボン紀・・・・・・・・・・・・・肺の獲得。ユーノステプテロンは食道を肺に変化させて呼吸法を変化させた。
・石炭紀・・・・・・・・・・・・・・手足の獲得。イクチオステガはヒレを手足に変えて酸素と餌を求め続けた。
・ペルム紀・・・・・・・・・・・・・殻を持つ卵と歯の獲得。哺乳類型爬虫類は犬歯や臼歯に見える歯を所持しており、殻を持つ卵を産む事が出来た。汗腺で子育てをする行為は授乳行為に等しい。
>技術的特異点(シンギュラリティー)に至るまでの重要な歴史事項(約138億年前~1万年前)
・約138億年前・・・・・・・・ビッグバンによる宇宙空間の誕生。
・約46億年前・・・・・・・・・地球の誕生。ジャイアント・インパクト説により月も誕生する。太陽系の主要な惑星と太陽は既に完成している。
・約40億年前・・・・・・・・・海の誕生。それまでの地球は天体衝突による摩擦とガスの爆発で高温のマグマに覆われた炎の惑星になっていた。岩石鉱物の誕生も海の誕生に欠かせないフラグだった。
・約38億年前・・・・・・・・・生物の誕生。40億年前の海の誕生の時点で生命が誕生したと思われているが、38億年前以前の生物の痕跡を残す化石は残っていない。バクテリアとアーキアの誕生。
・約32億年前・・・・・・・・・シアノバクテリア(藻類)が出現する。光合成をする植物の誕生。藻類が大量発生して海一面が緑色の現象になる事をストロマトライトという。約35億年前にはメタン菌も誕生する。これによって酸素が発生する事になり、地球が温暖な気候に変化していく事になる。二酸化炭素を吸収して生きていた生物は二酸化炭素を発生させる生産者に変換され、メタン菌と藻類の光合成は酸素を発生させた。
・約23億年前・・・・・・・・・オゾン層の形成。紫外線の防護壁が作られ、生物が陸上進出し易い環境が整えられた。紫外線はDNAや細胞を破壊する有害な放射線になっていた。
・約21億年前・・・・・・・・・ミトコンドリア、葉緑体、中心体と共生する真核生物が誕生する。
・約10億年前・・・・・・・・原口の進化。これにより、生物は捕食機能を有するようになる。生物が生物によって数を減少させられるようになった為、単細胞生物は多細胞生物へ進化していった。植物から動物・菌類・原生生物への分岐進化である。
・約8億年~約6億年前・・・・・・・・・スノーボールアースの登場。2度に渡る地球全体を覆う氷河はあらゆる生命体を絶滅に追い込んでいった。約7億年前には全動物の共通祖先と考えられるオタビア・アンティクア(海綿動物)が出現する。
・約6億年前・・・・・・・・・・エディアカラ生物群の登場。肉眼で確認できる大型の多細胞生物が突如として大量発生した。軟物質で形成される彼等はクラゲやイソギンチャク、海綿やホヤ、貝などの動物を残して絶滅していくことになった。
・約5億7000万年前・・・・・・・・・古生代の始まり。カンブリア爆発。この自然現象により、全ての動物の門が出揃う事になる。この頃に生まれた動物をバージェス動物群と呼ぶ。アノマロカリスやオパビニアなどの当時の捕食者が地球の王者だった。外骨格に覆われた動物が地球を支配する時代はその後、カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀まで続く事になる。肉眼で確認できる多細胞生物界でも食物連鎖の法則が成り立っていった。
・約4億2000万年前・・・・・・・・植物の上陸が始まる。
・約4億年前・・・・・・・・・・・・植物を捕食する節足動物をそれを捕食する節足動物の陸上進出。この頃に昆虫類が誕生する。昆虫は微生物と節足動物からそれぞれ進化した。
・約4億3000万年前・・・・・・・・・生物の大量絶滅。オルドビス紀が終焉すると、イカや節足動物や外骨格動物に代わり、魚類が海の王者に成り代わる。シルル紀とデボン紀を「魚類の時代」とも呼ぶが、この頃の魚類に浮き袋や軟質化した骨はない。
・約3億6000万年前・・・・・・・・・脊椎動物(両生類)の上陸。昆虫は身体を大きくする度に脱皮して寿命とエネルギーを縮めるしか無かったが、脊椎動物は内部の骨格の成長に合わせて巨大化するので昆虫類や節足動物とは捕食関係が逆転した。石炭紀の中頃までは陸上は昆虫の支配する時代だった。
・約3億年前・・・・・・・・・・・・爬虫類の出現。肺魚から両生類へ進化した脊椎動物は陸上の環境でも卵を産めるように固い殻を持つ卵を産むようになった。有羊膜類と呼ばれる。この頃の爬虫類は単弓類と双弓類と無弓類に分岐進化していく。無弓類はペルム紀の大量絶滅で種族そのものが絶滅する。
・約2億5000万年前・・・・・・・・ペルム紀の大量絶滅。スーパープルームと呼ばれる地殻変動は地球上の97%の生物を絶滅に追いやった。当時の地球の支配者は哺乳類の先祖となる単弓類であったが、この絶滅をきっかけに勢力を弱める事になる。
・約2億2500万年前・・・・・・・・中生代の到来。ペルム紀の大量絶滅を生き残った双弓類は恐竜とワニ類へ進化していった。生き残った小型の単弓類は哺乳類へと進化して横隔膜を手に入れる。当時の哺乳類は被捕食者だったので、夜行性だった。その為、哺乳類の色覚は2タイプの錘体細胞しか持たない。高酸素環境から低酸素環境に変化した当時の地球では気嚢システムを手に入れた恐竜が当時の地球の支配者だった。
・約1億5000万年前・・・・・・・・鳥類(始祖鳥)の出現。当時の鳥類は嘴を持たず、歯が鋭角に尖っていた。竜盤類の恐竜から進化したものが鳥類と呼ばれている。
・約1億年前・・・・・・・・・・エオマイア(黎明期の母)の登場。胎生能力を持つ有胎盤類に哺乳類が進化した。大陸が分断されたオーストラリア大陸や南極大陸に関しては独自の進化を遂げた有袋類と単孔類が発展していく事になる。
・約6500万年前・・・・・・・・・恐竜の絶滅。約75%の地球上の生物の大量絶滅。原因は隕石衝突とされている。大型の爬虫類と嘴を持たない鳥類、アンモナイトなども絶滅していった。
・約6550万年前・・・・・・・・・霊長類の出現。霊長類の出現時期は様々な仮説があり、7000万年前とも5500万年前とも呼ばれている。プレシアダピス類(偽霊長類)。
・約6500万年前・・・・・・・・・ウサギ目(北方真獣類)に近い動物に進化する。
・約6000万年前・・・・・・・・・ウサギ目のような生き物からツパイ目に近い動物へ進化する。
・約5500万年前・・・・・・・・・ヒヨケザル目と呼ばれるムササビに近い動物へ進化する。
・約4500万年前・・・・・・・・・ヒマラヤ山脈の形成。恐竜絶滅後の時代を新生代と呼ぶ。ヒマラヤ山脈の冷気によって地球全体の気温が下がり、アフリカ大陸のジャングルがサバンナ化したという説がある。この頃には南極大陸もジャングルから氷の大地へ成り代わっている。
・約5000万年前・・・・・・・・・ノタルクタス(霊長類)の出現。現在のキツネザルに近い姿をしていた。原猿類。ヒヨケザル目からの進化系だと思われる。
・約5000万年前・・・・・・・・・肉歯目が恐鳥類から食物連鎖の頂点の座を奪いとる。肉歯目のヒエノドンはアジア大陸で独自の進化を遂げた最初の肉食性哺乳類だった。当時の地球は恐竜の子孫だった恐鳥類と陸上性のワニが支配しておりアジア大陸以外の哺乳類は進化出来ない状態にあった。アジア大陸と他の大陸が陸続きになると、恐鳥類や陸上性のワニ類が肉食性哺乳類との生存競争に敗北する事になっていった。その後、肉歯目自身も独自の進化を遂げた草食性哺乳類と他の肉食性哺乳類との生存競争で敗北して絶滅していった。
・約4000万年前・・・・・・・・キツネザルのような生物だったサル類(原猿類)が真猿類に分岐進化していく。マンドリルのような猿を旧世界猿、オマキサルのような猿を新世界猿と言う。この頃には肉歯目に代わり食物連鎖の頂点に立っていたメソニクス目はクジラやカバなどに進化していき、ミアキスと呼ばれる食肉目はクマやアザラシ、犬や猫に分岐進化している。体長3メートルを越える哺乳類も珍しくなかったが、ヒマラヤ山脈の冷気で多くのジャングルが砂漠化したり洪水現象を起こすようになると、体重40kgを越える動物(メガファウナ)が糞をして土の栄養分を供給したり植物の受粉に役立つ事も少なくなった。砂漠化現象で動物の小型化が進み、群れを成して獲物を狩る動物も一般化したので大型哺乳類は絶滅していく事になる。新世界猿・旧世界猿・人類・大型類人猿の出現。
・約3000万年前・・・・・・・・・2色型色覚しか持たなかった哺乳類だったが、メガネザルのような猿がフォベアの数を増加させて3色型色覚を再び有するようになった。このような視点を立体視と呼ぶ。ティラノサウルスなども立体視を有する動物だった。立体視が出来るようになった猿はビタミンCを豊富に持っている果実を習得して樹上生活を行う事が当たり前になっていった。ショショニアス(原猿類)が3色型色覚を取り戻す。哺乳類以外の生物は4色型色覚である。
・約2800万年前・・・・・・・・・類人猿の出現。テナガザルやオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ヒトの共通祖先の出現。カトピテクス(類人猿)の出現。
・約2000万年前・・・・・・・・・ヒト科とテナガザル科の分岐。プロコンスル。
・約1300万年前・・・・・・・・・・ヒト亜科とオランウータン亜科の分岐。カモヤピテクス?
・約1000万年前・・・・・・・・・・・アフリカのグレート・リフト・バレーの形成。イタリアのオレオ・ピテクス、ヒト上科。
・約700万年前・・・・・・・・・・・トゥーマイ猿人の出現。
・約656万年前・・・・・・・・・・・ヒト族とゴリラ族の分岐。
・約487万年前・・・・・・・・・・・・ヒト亜族とチンパンジー亜族の分岐。直立二足歩行。
・約370万年前・・・・・・・・・・・・アウストラロピテクス(猿人)の出現。道具の使用。脳容量400㏄。猿人の特徴は上半身が人類、下半身がチンパンジーになっており、身長は140cm。
・約250万年前・・・・・・・・・・・・ホモ・ハビリス(原人)の出現。石器の使用(道具の加工技術の始まり)。第四紀時代、氷河期が始まる。脳容量が500㏄。この時はまだスカベンジャーに過ぎなかった。
・約180万年前・・・・・・・・・・・・・ホモ・エレクトゥス(原人)の出現。肉食文化が始まる。脳容量が900㏄ になる。石器を使用して獲物を狩る捕食者に進化する。同時期の草食性のパラントロプス・ロブストスは栄養不足で絶滅する。
・約30万年前・・・・・・・・・・・・・ホモ・ローデシエンシス(旧人)の出現。
・約23万年前・・・・・・・・・・・・・ネアンデルタール人(旧人)の出現。埋葬文化など。脳容量は約1500㏄。
・約20万年前・・・・・・・・・・・・・ホモ・サピエンス・イダルトゥ(新人)の出現。言葉によるコミュニケーション、闘争本能など。ホモ・サピエンスに至るまでに約19種類の人類が絶滅した。脳容量は約1000㏄程度。ミトコンドリアイブの存在もある。
・約25万年前・・・・・・・・・・・・・・ホモ・サピエンス・サピエンス(新人)の出現。現代人ホモ・サピエンスと身体的特徴は何ら変わらない。
・約12万年前・・・・・・・・・・・・・人工的に生み出した火の使用。
・約10万年前・・・・・・・・・・・ホモ・サピエンスがアフリカ以外で世界各地で活動する(出アフリカ)。この時にアフリカに残ったネグロイド(黒人)はネアンデルタール人と交流しなかった為、彼等の遺伝子が受け継がれなかった。
・約7万年前・・・・・・・・・・・・・衣服の着用。トバ事変の勃発。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人以外の猿人と原人、旧人は全て絶滅した。トバ事変後に生き残った人類はホモ・サピエンスとネアンデルタール人のみだったが、ホモ・サピエンスの人口が1万人まで減少した。ボトルネック効果により、人類の遺伝的多様性は失われた。火山噴火により寒冷化が始まり、人類は衣服と居住地の確保、建物の建設をせざるを得なくなった。この事件以降、火山灰の堆積によりヴェルム氷期と呼ばれる厳しい氷河期に突入していく。
・約6万年前・・・・・・・・・・・・・ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの間で異種混血が始まる。ネグロイド(黒人)を除く人類の遺伝子の1~4%にネアンデルタール人の遺伝子が含まれている。おそらくトバ事変の影響で人口が1万人以下に減少したホモ・サピエンスがネアンデルタール人と共同で生活をするようになったか人身売買でネアンデルタール人の女性を手に入れていたと考えられる。現代人はネアンデルタール人とホモ・サピエンスのハイブリッドと言える。赤い髪、白い肌、青い目、金髪などはネアンデルタール人からの贈り物と言われている。
・約5万年前・・・・・・・・・・・・・・クロマニョン人(旧人)の出現。約1万2000年前にアメリカ大陸に隕石衝突。これにより、北米大陸のラクダやスミロドンやグリプトドンなどの大型の哺乳類が絶滅していった。よってメガファウナの動物が減少し、砂漠化の大地が拡大していった。約2万年前には人類の人口が氷河期のピークで2000人まで減少していたこともDNA調査で判明している。
・約3万年前・・・・・・・・・・・・ネアンデルタール人の絶滅。洞窟壁画の登場。絵画・彫刻文化の幕開け。
・約1万5000年前・・・・・・・・・ヒトによる犬の家畜化(動植物の最初の家畜化)。
・約1万2000年前・・・・・・・・・・アメリカ大陸にヒトが移住。
・約1万年前・・・・・・・・・・・氷河期の終焉。日本の氷河も溶けて列島が形成される。日本では縄文時代を迎える。マンモスやオオツノジカなどもこの頃に絶滅した。土器の発明。
・紀元前8800年・・・・・・・・・農耕牧畜革命の始まり。人類は銅という金属も製錬している。
・紀元前3000年・・・・・・・・・・古代エジプト文明、メソポタミア文明、古代中国文明、インダス文明の四大文明の幕開け。猫や豚、鶏や牛などの動物の家畜化と栽培技術も登場した。人類が定住生活を始めたのはこの時期からである。
>大量絶滅の歴史
・約40億年前・・・・・・・・・・・マグマ・オーシャンと呼ばれる天体衝突現象。天体が衝突した事により、地球全体が溶岩とマグマの海で覆われた灼熱の惑星となり、海洋を漂っていた微生物が全て死滅した。本能で地下1万メートルまで逃げ延びた微生物は生き残った。
・約8億~6億年前・・・・・・・・・・スノーボールアース。地球全体が氷河に覆われた極寒の惑星へと変化する。微生物の多くが死滅したがメタン菌と二酸化炭素の化学反応で地球が温暖化していった。しかし、植物が発生させる酸素は当時の微生物には有毒だったので、気温変化と酸素活動に耐えられなかった微生物は死滅していった。酸素を吸収して捕食と二酸化炭素を発生させる動物が誕生する。これがきっかけとなり、多細胞生物が誕生する事になる。
・約6億年前・・・・・・・・・・・ゴンドワナ大陸が分裂したことでスーパープルームが発生。エディアカラ動物群は全滅した。生き残った微生物からカンブリア爆発が始まり、現在の動物の先祖が活躍する古生代の扉を叩くことになる。
・約5億年前・・・・・・・・・・・・古生代カンブリア紀。それ以前の時代は「先カンブリア時代」と呼ぶ。海底の土砂が大陸の地殻変動で移動して、多くのバージェス動物群が生き埋めにされた。骨格が残らないバージェス動物群の化石がある一定の場所から大量発見されるのはその為である。
・約4億4400万年前・・・・・・・・・・古生代オルドビス紀。当時は巻貝や巨大なイカが支配する時代だった。しかし、超新星爆発によるガンマ線バーストを地球が浴び続けた事で大型の動物は大量絶滅していった。
・約3億7400万年前・・・・・・・・・・古生代デボン紀。当時はダンクレオステウスのような巨大な板皮類の魚類が支配していたが、大量絶滅した。全ての生物種の82%が絶滅した。原因は海洋の無酸素事変であるとされている。2度の寒冷化と有機物の堆積は二酸化炭素の減少を招き、海洋で生活する魚類と生物種は絶滅せざるを得なかった。現在の魚類の先祖は強者から逃れる目的と大量の酸素を取得する為に肺呼吸と陸上進出した植物を求めて淡水地域へ生活圏を移した。酸素が欲しかった魚類は最終的に食道の一部を肺に進化させて上陸を果たした。
・約2億5000万年前・・・・・・・・・・古生代ペルム紀。当時はゴルゴノプスやディメトロドンなどの単弓類が支配していたが、地球上の97%の生物種が大量絶滅した。三葉虫もこの時代に絶滅している。原因は大陸の分裂と形成の際に発生される地殻変動と火山の噴火、スーパープルーム現象だとされている。当時の地球は高酸素環境であったが、火山噴火で大量発生したメタンと酸素が化学反応を起こして、低酸素環境を招く二次災害を引き起こした。爬虫類の先祖である双弓類は気嚢システムを獲得して恐竜という大型生物へ進化していった。一方の生き残った単弓類は横隔膜を手に入れて身体を小型化させることで低酸素環境を生き延びた。横隔膜を手に入れた単弓類をキノドン属とも呼ぶ。
・約1億9960万年前・・・・・・・・・中生代三畳紀。当時はワニ類などの大型爬虫類と巨大な両生類が地球を支配していた。全ての動植物の76%はこの時代の大量絶滅で死滅する。原因はスーパープルームから続く活発な火山活動の噴火が原因とされる。当時はペルム紀から続くパンゲア大陸という超大陸を形成していた。小型だった恐竜はニッチを埋める為に草食恐竜と肉食恐竜へ分岐進化していった。当初は肉食恐竜(竜盤類)だけだったが、草食性の単弓類や爬虫類が絶滅した事をきっかけにして恐竜の中にも植物食性の個体が発生するように成った。
・約6500万年前・・・・・・・・・・中生代白亜紀。当時は恐竜と大型爬虫類が支配する時代だったが、北米のユカタン半島に落下した隕石衝突が原因で約70%の生物種が絶滅した。中生代を代表するアンモナイトもこの時代の大量絶滅で姿を消した。歯を持った原始的な鳥類もこの時代に姿を消した。霊長類とよく似た特徴を持つ偽霊長類も絶滅した。哺乳類はネズミのような生き物しか居なかったように思われるが、実際には犬や猫、猿程度の大きさと見た目を持つ哺乳類も生息していたらしい。
・約7万年前・・・・・・・・・・・・新生代第四紀時代。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人以外の人類が絶滅する。トバ事変の勃発である。トバ火山の活動と噴火により多くの人類が絶滅に追い込まれた。火山噴火による火山灰は太陽光を遮り、寒冷化と餌不足を招いた。この事件をきっかけにホモ・サピエンスの人口は1万人まで減少した。その為、遺伝的な多様性も失われた。当時のホモ・サピエンスと人類は衣服を着用していなかったとも言われており、この事件をきっかけに人類は衣服の着用と建物の建設を始めたとする仮説もある。
・約1万2000年前・・・・・・・・・・北米大陸に隕石が衝突。これにより北米大陸のラクダやスミロドン、グリプトドンやギガントピテクスなどの大型哺乳類が次々と絶滅していった。体重40kgを越える大型動物をメガファウナと呼び、彼等が撒き散らす糞は土壌にリンなどの土に必要な栄養分を与えたり、植物の受粉地域を拡大する役割があった。しかし、体重40kgを越える大型動物が氷河期の寒冷化と隕石衝突、火山噴火、小型生物との生存競争の敗北などに敗れるとメガファウナの条件に合う大型動物の数が減少して、砂漠化地域が拡大していった。メガロドンなどの大型の古代サメはバシロサウルスやシャチなどの小型の動物の群れとの縄張り競争に敗北して絶滅したと言われている。哺乳類の多くは群れを形成してチームワークで狩りをする習性があるので、大型動物が絶滅した原因は小型哺乳類との生存競争の敗北とする意見も多い。
・16世紀以降・・・・・・・・・・・・人的要因によって多くの動植物が絶滅していった。ドードー鳥やモア、ニホンオオカミなどの動植物である。人類が絶滅させた動物の種類は全体で約70%に上ると報告する学者も居る。人的要因で絶滅する動物の絶滅原因は大量の狩猟と環境破壊によるものとされている。マンモスやオオツノジカを人類によって最初に絶滅させられた大型動物と報告するメディアも多かったが、最近はそれらは環境の変化と自然淘汰によるものとする意見もある。
新生代の時代区分については少々特殊で古生代や中生代のような明確なライン引きが完了していないようでWikipediaでも「新生代」の項目については具体的な内容よりも学者や学会内での時代区分の議論内容に始終している。新生代には大量絶滅は無いので時代の線引きが難しいんだと思う。大雑把に3紀に分かれる新生代だけど3紀の中でも更に時代区分がされている場合が多い。3紀の分類法はその時代に繁栄していた生物種のグループ分類だけど更にそこから分かれる6つの世は当時の地球環境の変化ごとで分けている。
古生代は一般的に地球上に一番最初に肉眼で確認出来る多細胞生物が生まれた時代と認識されてそうだけど、実は先カンブリア時代にもエディアカラ動物群と呼ばれる軟体上の動植物が生きていたので実際は古生代のカンブリア紀が肉眼で確認出来る生物が生まれた最も古い時代なのではない。一般人がカンブリア紀から肉眼で確認出来る生物が生まれたと考えてしまうのはつい最近のBBCの『ウォーキング・With・モンスターズ』やCS放送のナショナルジオグラフィック、ディスカバリーチャンネル、民放やNHKの古生物番組が原因だと思う。本や図鑑などでは肉眼で確認出来る生物の存在はエディアカラ動物群が最初ということになっている。ただ、テレビなどで生物の歴史番組をやる際に決まって古生代からスタートするのは先カンブリア時代や地球誕生以降の生物の化石が殆ど見つかっておらず情報不足ということとバクテリアや細菌などからエディアカラ動物群までの歴史を扱ってもどうしても地球環境や生物が生きられるメカニズムの説明ばかりに集中してしまって一般人が話に着いていけなくなるからだと思う。あと古生代以前の生物史は映像で見てもあまり面白味がなかったりする。やっぱりメインになるのは地球や宇宙誕生の話ばかりで原始的な生命の話というのは専門的すぎるので語られる事はテレビでは少ない。
古生代はカンブリア紀(約5億4200万年前から4億8830万年前)からスタートした。カンブリア大爆発と呼ばれる現象の結果、生物は爆発的に多様化し今日に見られる動物の門を殆ど出現させた。テレビ東京系列の有名なドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」はこの時代の名前が由来になっている。古い学説ではエディアカラ動物群の何かからバージェスモンスター達に進化したと考えられてたが最近は突発的に発生したと考えられている。動物の門については同時期に一斉に現れたと考えられてるようで無脊椎動物から脊椎動物に進化したとかそうではなくてカンブリア爆発により無脊椎動物と脊椎動物が同時期に現れたとする説が有力になってる。カンブリア爆発により生まれた生物達があまりにもグロテスクで奇妙で現生の動物の面影を残していないのでバージェスモンスターとも呼ばれている。有名なアノマロカリスや三葉虫が繁栄していた時代は主にこの時代で三葉虫は古生代のペルム紀まで生き延びることになる。その為、三葉虫が生息していた時代期間そのものを古生代と分類する事が出来る。この時代から既に背骨を持った脊椎動物が誕生した。ハイコウイクティスやミロクンミンギアなどの無顎類と呼ばれる小型の魚類である。彼等は現生のヤツメウナギなどに似ている。ナメクジウオに似ていると言われていたピカイアは脊椎動物の祖先で無い事が2004年に判明した。
アノマロカリスなどの無脊椎動物が繁栄していた時代にあっては魚類は大型に進化することは出来なかった。動物界的にはこの時代は無脊椎動物や外骨格を持った動物の天下だったと言える。三葉虫やオパビニアなど硬い外骨格で覆われた動物が多種多様に出現した理由はエディアカラ動物群が軟質で覆われた軟体動物でアノマロカリス等の凶暴な捕食者に襲われて絶滅したことをDNAが記録していたので捕食者に食べられぬようにバージェスモンスター群は外骨格で覆われた動物が多数出現したと考えられている。この時代の特徴としては食う者と食われる者という捕食関係、眼という感覚器官の登場、食物連鎖の自然法則が生まれたという革命的な出来事だろう。カンブリア紀以前の生物、エディアカラ生物達は主に光合成や土に含まれる養分を摂取して生きていた。ところがカンブリア爆発で発生した動物達から突然肉食動物と植物食動物が生まれた。他の生命の身体を食べて生きるという生命がこの時代から突如として現れたのである。防衛策を持っていなかったエディアカラ動物群の多くはアノマロカリスやオパビニアなどの捕食動物に食い尽くされて絶滅した。ヨルギアなどの一部の動物は三葉虫へ進化して防衛策を編み出したと考えられる。捕食動物の特徴としては巨大な目と捕食機能を有する触手や歯などを身に着けてる事だろう。食べられる側、被捕食動物は堅い外骨格(三葉虫)や全身を覆う棘(ハルキゲニア)、素早く逃げられる為の全身の舵となる背骨の原型(ピカイア)などを装備して捕食動物から必死に逃げ伸びようとした。カンブリア紀の海はまさに進化の実験場だった。食物連鎖の法則が生まれた事でバリエーションが少なかった生命達は独自に食べる・食べられるに特化した身体の進化を試行錯誤を繰り返していった。カンブリア紀の動物達がユニークで奇妙なデザインをしているのは各々が生き延びようとした結果なのだ。地球史上最初の王者、肉食動物とも言えるアノマロカリスは次の時代のオルドビス紀を迎えるまでに絶滅していった。オパビニア、ハルキゲニア、ウイワクシアなどの独特のデザインをしたカンブリアモンスターも滅んでいった。オルドビス紀までに子孫と種そのものを維持出来たのはハイコウイクチスなどの魚類の先祖や古生代を代表する三葉虫程度だったと言われている。
次の時代のオルドビス紀(約4億8830万年前から4億4000万年前)ではストロマトライトが形成した酸素が蓄積したオゾン層が形成され有害な紫外線を地球が防げるようになった。オウムガイやイカなどの巨大な軟体動物が繁栄する時代だったが超新星爆発によるガンマ線バーストを地球が受けて地球環境が劇的に変化した。この時代に氷河が出来ていたらしいが氷河の消滅と氷床の発達に伴う海水準の低下時によるもので海水準が2回ほど変動したことが大量絶滅の要因とも考えられている。頭に巨大な殻を付けた巨大なイカなどが支配するイカの時代だったと言われている。
シルル紀は4億3730万年前から4億1600万年前にあたる時代で生物の中で一番最初に植物が陸上進出した時代である。この時代から昆虫が生まれたと考えられている。無顎類が顎と鱗を持つ軟骨魚類(ウナギや鮫など)と硬骨魚類(ダンクレオステウスなど)に進化した。昆虫はこれまでの無脊椎動物から進化した動物か宇宙から飛来した動物だと考えられていたが微生物やプランクトン、甲殻類などが突然巨大化した生物種というのが通説となりだしてる。この時代の海の王者はウミサソリと呼ばれる節足動物であり、小型だった軟骨魚類を捕食していたと考えられている。ウミサソリの平均体長は約2m~3m程度だったと言われている。
デボン紀は4億1600万年前から3億5920万年前にあたる時代で「魚類の時代」とも呼ばれる。魚類が様々な魚類に分岐進化していき末期には両生類へと進化する。松のような種子植物が出現し地球最初の森「アーケオプテリス」を形成した。岩石だらけだった地面に植物が根付き死んだ植物や岩石を一緒に上陸したバクテリアや菌類などが分解して柔らかい有機物を含んだ土になっていった。末期までには昆虫と節足動物が上陸を果たすことになる。この時代を支配していた魚類はダンクルオステウスのような10メートル程のクソデカい魚(板皮類)、ダンクレオステウスなどがうじゃうじゃと海を支配していた最悪な時代で天敵が殆どいなかった魚類はこの時代最も大型化していった。我々の祖先である軟骨魚類はダンクレオステウスの捕食から逃れる為に淡水地域へ逃げ込んだ。それとデボン紀末期の海は「無酸素事変」と呼ばれる酸素が全くない大量絶滅イベントを控えていたので、我々の祖先は酸素と餌を求めて淡水地域へ移動したと言われている。淡水地域では既に植物と昆虫が上陸しており、酸素と餌には困らない状況だった。しかし、植物の葉や木の枝などが進路の邪魔になっていたので、一部の魚類はヒレを手足に進化させて邪魔な障害物を払いのける必要があった。ユーノステプテロンと言われる魚類は7本の指に見えるヒレを持っており、それで木の枝や植物の葉を払いのけていった。そして、最終的には肺魚へ進化して、肺を獲得する。現在の魚類の祖先は浮き袋にかつて肺を所持していた事が分かっている。魚類達は食道の一部を肺に進化させて低酸素環境を生き延びたと考えられている。ヒレから手足への発達は止まる事がなく、約3億2000万年前には遂に肺魚が山椒魚のような両生類に進化して陸上進出したと言われている。イクチオステガの登場である。
魚が上陸せざるを得なかったのは南米・アマゾンで生きるジャングルの魚達の生態を見るとよく分かる。6月の乾季に入ると、川が干上がる現象が毎年続く。その時に酸素を確保出来なかった魚達は死んでいき、呼吸が出来る肺魚やムツゴロウのような魚は生き残る。我々の祖先もそういった厳しい環境の中で生き残った強者達だった。川が干上がると、エラで呼吸している魚は生きていけないので、魚たちは食道を変化させて肺呼吸することで乾季が過ぎるのを耐えようとした。その過程の中でヒレが手足に進化したものだと考えられる。
石炭紀は約3億5920万年前から2億9990万年前にあたる時代で昆虫の時代とも呼ばれている。陸上進出した昆虫類が酸素濃度の高濃度環境で大型化し地球の陸地の王者となっていた。最も有名な古いトンボのメガネウラもこの時代。両方の翅の幅は1メートル程あるというクソデカいトンボだった。自動車並の大きさがあると言われる巨大なヤスデ(アースロプレウラ)、10センチの巨大ゴキブリも生息していたようで巨大な昆虫たちは同族や小さかった脊椎動物を食い荒らしていた。この時代に両生類が上陸を果たすが昆虫類が酸素濃度が高い時代で大型化していたので生存競争は激化する。海にも淡水にも巨大な魚類(ハイネリアなど)がまだ繁栄していたので水中生活にも天敵が居た。シダ植物が繁栄すると有羊膜類(爬虫類と哺乳類と無弓類の共通の先祖)が両生類から進化し現れた。有羊膜類とは薄い卵の殻に覆われた卵を産める種の事で産む卵の柔らかさはうずらの卵を連想するといい。哺乳類と爬虫類の先祖はトカゲのような姿をしていたと考えられている。爬虫類の先祖は双弓類と言って、この種類から恐竜と爬虫類に分化していく事になる。恐竜以外の魚竜や首長竜、翼竜などの爬虫類は恐竜以上にトカゲやワニに近縁とされている。カメに関してはトカゲやワニの一族からは少しかけ離れているので、無弓類が先祖だとも考えられていた。哺乳類の先祖であるヒエノムスという小型のトカゲは豊富な餌と高濃度の酸素環境の中で巨大化に成功していった。
古生代最後の時代はペルム紀という。約2億9900万年前から約2億5100万年前にあたるこの時代は両生類の時代と呼ばれるほど両生類が繁栄した。末期に三葉虫が絶滅し地球史上最大規模の大量絶滅(スーパーブルーム)が起こった。この時代には両生類(有羊膜類)が双弓類(爬虫類)と単弓類(哺乳類型爬虫類)に分岐進化していった。巨大大陸パンゲアが出現したのもこの時代。哺乳類型爬虫類はキノドン属やディメトロドン、ゴルゴノプスなど末期に繁栄していたがぺルム紀末期の大量絶滅で絶滅し哺乳類の最初の繁栄はかなり短めに終焉した。大型化し地球を支配していた哺乳類型爬虫類に代わり地球を支配するようになったのは小型爬虫類(双弓類)から進化した恐竜だった。二足歩行するようになった大型のトカゲは次の時代の中生代を大型爬虫類と共に陸・海・空と支配していくことになる。
単弓類はつい最近有名になってきた種類で僕が子供の頃の図鑑ではディメトロドンは恐竜あるいは両生類に分類される動物だった。2000年代に入り、化石の正体が明らかになってきた為かBBCの『ウォーキング・ウィズ・モンスターズ』などでクローズアップされるなどメディアへの露出度も増えていき、NHKの『地球大進化』で一般に認知されるようになった。竜弓類のディメトロドン等が進化した種の事を獣弓類と言う。ゴルゴノプス類やディイクトドンの事だ。哺乳類の直接の先祖はこの獣弓類で大量絶滅を生き延びたのはその中のキノドン属だったと言う。獣弓類はその名の通り、哺乳類しか持たないとされる胎生、横隔膜による腹式呼吸、鱗から毛への変化など中生代に入り自身しか持たない身体能力を身に着けていったという。キノドン属から進化したトリナクソドンは腹式呼吸を、黎明期の母と呼ばれるエオマイアは胎生と子育てを施して獣弓類の生き残りである最古の哺乳類アデロバシレウスは常に夜行性だったと言われる。新生代初期に繁栄を極めた恐鳥類の陰でも哺乳類は常に夜行性だった。その為、哺乳類の視覚、色の認知数は他の鳥類や魚類、爬虫類などに比べてかなり劣っているらしい。アデロバシレウスから恐鳥類が猛威を奮う時代まで夜行性だった哺乳類は目という感覚器官を退化させてまで辛抱強く繁栄の時を待った。トガリネズミのような生き物からキツネザルのようなノタルトゥスに進化するとあとは猿から人へ進化していく一方通行だった。
哺乳類型爬虫類は名称がややこしいけど、グループの定義としては爬虫類的な外見と容姿を備えるが、哺乳類の特徴である犬歯や門歯など様々な歯を持ち、肋骨が胸部周囲にしかないなど骨格的な特徴が哺乳類である動物を指すらしい。また汗腺から必要な栄養分を絞り出して汗水で子育てしていた事も哺乳類型爬虫類の特徴だと言われている。爬虫類よりは哺乳類に近い動物とされるので我々哺乳類の直接の先祖だと考えられている。2000年代に入るまでは日本ではディメトロドン程度の動物しか知られていないマイナー古生物だったが、金子隆一氏が1999年に『ヒトの知られざる先祖』とかいう本を出版した後に徐々に認知度が高まり、BBCの『ウォーキング・ウィズ・ビースト』や『プライミーバル』の映像を各テレビ局が使いまわした事でお茶の間にもリストロサウルスやゴルゴノプスなどが知れ渡るようになった。一般に認知されるようになったのはおそらくNHKスペシャルの『地球大進化』や『哺乳類VS恐竜』というテレビ番組であろうと思われる。現在では中学校の理科の教科書にもこの動物グループは載っているらしい。今のところ、地球を完全に支配した最初の一大グループと認知されている。地球を支配していた動物は中生代の恐竜や大型爬虫類、新生代古第三紀の恐鳥類や新第三紀の食肉目哺乳類などが連想されるが、最初に地上を支配していた一大グループはこの「哺乳類型爬虫類」で確定らしい。ペルム紀を支配していた哺乳類型爬虫類の陰に隠れて暮らしていたのが双弓類と呼ばれる爬虫類で、トカゲのような動きをしていたが後に直立してそれが中生代を支配していた恐竜へと進化していった。爬虫類も哺乳類も元々は両生類の有羊膜類(ウェストロティアーナ)から進化したが枝分かれしたので爬虫類と哺乳類に接点はない。共通の先祖は居るが、哺乳類は爬虫類から進化した訳ではないのである。
古生代の各時代についての大雑把な概要はこんなところです。脊椎動物の大雑把な進化の流れとしては魚類→両生類→爬虫類(双弓類)と哺乳類(単弓類)→鳥類という具合です。厳密には鳥類は爬虫類の恐竜から哺乳類は単弓類から進化したが5種類の脊椎動物のグループで進化順を見るとこんな感じです。古生代は進化の歴史と言っていいでしょう。今日繁栄している脊椎動物の多種多様化を揃えるまでのデモンストレーション的な時代であったと言えます。新生代の項目でも言えたことですが古生代や中生代の生き物は王者になるほど大型化する傾向があるようで絶滅し易いのも大型動物が主流のようです。現代はキリンや象が大型動物にあたりますが古代生物の大きさと比較するとやはり現代の動物はまだまだ小さいと言えそうです。各時代に各種の動物グループが繁栄することはあっても古生代という大きな時代区分の中では具体的にどの生物種が古生代を支配していたかとは言えない。それだけ動物界での天下回しのスピードが速かったんじゃないかと思います。次の時代の中生代では恐竜と大型爬虫類が地球を我が物顔で支配していくことになります。恐竜は古生物とは独立したジャンルで『ジュラシック・パーク』などで非常に人気になった生物の1種なので動画の数が多いので動画は学術的に確立されたものを厳選しようかと思います。
>大量絶滅
突然、多種類あるいは生物種のグループそのものが同時に絶滅することを「大量絶滅」という。地質時代の区分、特に「中生代」や「新生代」の「代」は主に大量絶滅までの動物相と大量絶滅後の動物相の違いから分別している。「紀」は少数の動物あるいは特定の動物や植物が小規模に絶滅した場合に使われる。「ジュラ紀」や「ペルム紀」など。「世」については地球環境や気候変動の変化による分別である。地球史上の大量絶滅は5回あり、いずれも顕生代に属する。大量絶滅は多細胞生物が現れ出した原生代のベンド紀以降5回あった。大量絶滅後は食物連鎖のピラミッド・・・・・・いわゆるニッチを埋める為に弱小・小型だった動物が大型化し捕食者あるいは被捕食者の立場になる場合が多い。ホモ・サピエンスが地球を統治する時代までは3メートル以上の大型動物が古生代のカンブリア紀から新生代の第四紀の氷河期が終わるまで存続していた。動植物は時代を問わず、天敵が居なくなった環境では大型化する傾向が強いようである。5回あった大量絶滅は古生代のオルドビス紀末、デボン紀末、ペルム紀末(P-T境界)、中生代の三畳紀末と白亜紀末(K-T境界)に起こった。境界とは大量絶滅後の次の「代」に至るまでの境目である。つまり、P-T境界は古生代と中生代の中間、K-T境界は中生代と新生代の境目にあたる。生物史は政治システムや身分制度の崩壊、文化・経済レベルの発展などで時代が移り変わる人類史と違って時代の分け目は案外シンプルな構造になっている。有名な大量絶滅、5回あった大量絶滅をビッグ5と呼ぶが、実は大量絶滅は原生代末のエディアカラ紀と完新世にも起こっている。エディアカラ紀の大量絶滅は原因がよく分かっていないがカンブリア大爆発によって飛躍的に進化したバージェス動物群にエディアカラ動物群が食い荒らされて大量絶滅したのだろうというのがエディアカラ紀大量絶滅の定説である。新生代の第四紀完新世の大量絶滅はホモ・サピエンスによる道楽・趣味・金儲け目的などの無闇な狩猟によるものとされている。2012年現在でも哺乳類・鳥類・昆虫類などを問わず様々な動物が人間の手により絶滅していってる。
オルドビス紀末の大量絶滅は超新星爆発によるガンマ線バーストを地球が受けたことによりオゾン層が破壊され有害な紫外線が地表や海中にも降り注ぎ食物連鎖のシステムが破壊されその時代に生きていた全ての生物の85%が大量絶滅したらしい。デボン紀では寒冷化と海洋無酸素事変が原因とされている。海中での酸素欠乏状態が広範囲に拡大し海洋環境の変化に多大な影響を与える化学現象。この時代を代表する板皮類の巨大魚ダンクレオレステスも絶滅した。当時の全ての生物の82%が絶滅した。ペルム紀の大量絶滅は地球史上最大の大量絶滅と言われ、NHKスペシャルの『地球大進化』でもクローズアップされた。主に2つの絶滅説があるが『地球大進化』ではスーパーブルームによる大量絶滅を紹介した。スーパーブルームとはプレートテクトニクスの事で巨大なマントルの上昇流であるスーパーブルームによって発生した火山活動が活発化して大量絶滅になったという説。またパンゲア大陸の形成により火山活動が活発化したという説もある。この絶滅によりその当時食物連鎖の頂点に居た単弓類(哺乳類型爬虫類)の多くが死に絶えた。空いたニッチに小型爬虫類が進化した恐竜が埋まるようになった。恐竜は低酸素の環境でも生き抜く気嚢システムが肺にあったので大型化したという説がある。生き延びた単弓類は横隔膜という筋肉を作り、腹式呼吸を身に付けた。その単弓類のグループが哺乳類の先祖へと進化していった。だが、横隔膜を作り出した結果大型の体で低酸素環境を生き抜く事が出来ずネズミのような動物に小型化して生きるしかなかった。あるいは恐竜に見つからないようにする為に小型化したのかのいずれかである。火山活動の活発化によりメタンと酸素が化合して酸素濃度が著しく低下した。これが中生代の低酸素環境の元となった。ペルム紀にあった酸素濃度30%という高酸素環境は中生代に入ると酸素濃度が10%まで低下した。これは高山の頂点に居るのと同じような環境であると言われている。ペルム紀の大量絶滅では90から95%の動植物が絶滅していった。古生代全体の代表動物である三葉虫も元々数が少なかったところにスーパーブルームの大量絶滅が追い打ちをかけたので完全に絶滅したと言われている。残った5%に哺乳類型爬虫類のキノドン属が含まれていたので、哺乳類のルーツとなるDNAが完全に無くなる訳ではなかった。哺乳類型爬虫類が絶滅した後、再び哺乳類が地球を支配する時代は2億5100万年前から約2億年後先の出来事となる。三畳紀では火山活動の活発化により当時の全ての生物の76%が絶滅した。大型の爬虫類と単弓類、アンモナイト類も数多くの種類が滅んだ。だが、まだ小型だった恐竜はなんとか生き延びた。白亜紀末の大量絶滅は一般的に有名だが全ての生物種の絶滅%は70%程度に過ぎないらしい。実際はペルム紀の大量絶滅の方が絶滅種の数はかなり多かった。恐竜を中心にアンモナイト、翼竜、海洋爬虫類、首長竜が絶滅した。恐竜という生物種のグループが一つ丸々絶滅しているのでインパクトが強く絶滅の代名詞が白亜紀の大量絶滅と言われるのだろうけど、恐竜という種類自体数が減り出して自然淘汰され易い状況になってきてたという説がある。恐竜の絶滅はユカタン半島に落下した隕石の衝突説が有力な説とされている。だが、アラモサウルスのように6500万年から70万年後の世界も繁栄していた恐竜もごく一部居るので隕石による衝突の衝撃だけで恐竜というグループ全てが絶滅した訳ではない。まぁ、古第三紀までに恐竜や大型爬虫類が全て絶滅しているので隕石の衝突から短期間で急速に食物連鎖のピラミッドが崩壊し生態系が崩れて絶滅していったんだろう。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、無脊椎動物などが絶滅せずに恐竜という生物種のみが絶滅したのかは科学者の間でも謎とされている。一般人は恐竜や翼竜は全てが大型動物と連想できそうだがコンソナグプトゥスのように鶏程の大きさしかない恐竜も居たので小型恐竜までも絶滅するのは不自然である。また海中に居たアンモナイトや魚竜などまで絶滅したのも謎である。ペルム紀末期の大量絶滅後の地球環境が低酸素状態だから腹式呼吸と気嚢システムを持たない動物が絶滅するという理由があるのなら納得できる話だが白亜紀末期の大量絶滅後の地球環境や生物相の状態が化石や地層の史料だけでは不足過ぎるので恐竜が絶滅した理由については実はよく分かっていない。
>古生代を支配してきた生物種のまとめ
・カンブリア紀・・・・・・・・・・現在の全ての動物の門が出揃った。アノマロカリスなど現在の動物学では分類出来ない無脊椎動物の時代だった。
・オルドビス紀・・・・・・・・・イカの時代。オウムガイや巻貝などが魚類を捕食していた。魚類は顎を持っていなかった。
・シルル紀・・・・・・・・・・・・・節足動物の時代。2mを越えるウミサソリなどが魚類を捕食していた。植物とバクテリアと菌類と原生動物が陸上進出した。
・デボン紀・・・・・・・・・・・・・魚類(脊椎動物)の時代。10mを越えるダンクレオステウスなどの硬骨魚類とユーノステプテロン(軟骨魚類)に分化する。大量絶滅で硬骨魚類は全て絶滅した。昆虫と節足動物が上陸する。
・石炭紀・・・・・・・・・・・・・昆虫の時代。3mを越える雑食性のヤスデなどがジャングルを支配する。石炭紀半ばで淡水地域で繁栄していた軟骨魚類が両生類へ進化していった。
・ペルム紀・・・・・・・・・・・哺乳類型爬虫類の時代。両生類から有羊膜類へ進化して、単弓類と双弓類と無弓類に分岐進化していった。無弓類は大量絶滅を生き残れなかったが、単弓類は哺乳類に進化して、双弓類は恐竜と爬虫類へ進化していった。乾燥した砂漠と荒野地域だったらしいが、3mを越える肉食性動物が数多く繁栄していた。哺乳類の先祖が哺乳類型爬虫類なので、哺乳類はかつては5000万年ほど地球を支配していた事が分かる。ペルム紀の大量絶滅でカンブリア紀から生息してきた三葉虫と97%の生物種が絶滅していった。
>ご先祖様が手に入れてくれた身体の器官と部位
・カンブリア紀・・・・・・・・・・眼と脳と背骨の獲得。ハイコウイクチスは既にこれらの感覚器官を所持していた。
・オルドビス紀・・・・・・・・・・ヒレの獲得。アランダスピスという魚類は短いヒレで泳いでいたとされる。
・シルル紀・・・・・・・・・・・・・鱗の獲得。プテラスピスは流線型のヒレと鱗で素早く泳げるようになった。
・デボン紀・・・・・・・・・・・・・肺の獲得。ユーノステプテロンは食道を肺に変化させて呼吸法を変化させた。
・石炭紀・・・・・・・・・・・・・・手足の獲得。イクチオステガはヒレを手足に変えて酸素と餌を求め続けた。
・ペルム紀・・・・・・・・・・・・・殻を持つ卵と歯の獲得。哺乳類型爬虫類は犬歯や臼歯に見える歯を所持しており、殻を持つ卵を産む事が出来た。汗腺で子育てをする行為は授乳行為に等しい。
>技術的特異点(シンギュラリティー)に至るまでの重要な歴史事項(約138億年前~1万年前)
・約138億年前・・・・・・・・ビッグバンによる宇宙空間の誕生。
・約46億年前・・・・・・・・・地球の誕生。ジャイアント・インパクト説により月も誕生する。太陽系の主要な惑星と太陽は既に完成している。
・約40億年前・・・・・・・・・海の誕生。それまでの地球は天体衝突による摩擦とガスの爆発で高温のマグマに覆われた炎の惑星になっていた。岩石鉱物の誕生も海の誕生に欠かせないフラグだった。
・約38億年前・・・・・・・・・生物の誕生。40億年前の海の誕生の時点で生命が誕生したと思われているが、38億年前以前の生物の痕跡を残す化石は残っていない。バクテリアとアーキアの誕生。
・約32億年前・・・・・・・・・シアノバクテリア(藻類)が出現する。光合成をする植物の誕生。藻類が大量発生して海一面が緑色の現象になる事をストロマトライトという。約35億年前にはメタン菌も誕生する。これによって酸素が発生する事になり、地球が温暖な気候に変化していく事になる。二酸化炭素を吸収して生きていた生物は二酸化炭素を発生させる生産者に変換され、メタン菌と藻類の光合成は酸素を発生させた。
・約23億年前・・・・・・・・・オゾン層の形成。紫外線の防護壁が作られ、生物が陸上進出し易い環境が整えられた。紫外線はDNAや細胞を破壊する有害な放射線になっていた。
・約21億年前・・・・・・・・・ミトコンドリア、葉緑体、中心体と共生する真核生物が誕生する。
・約10億年前・・・・・・・・原口の進化。これにより、生物は捕食機能を有するようになる。生物が生物によって数を減少させられるようになった為、単細胞生物は多細胞生物へ進化していった。植物から動物・菌類・原生生物への分岐進化である。
・約8億年~約6億年前・・・・・・・・・スノーボールアースの登場。2度に渡る地球全体を覆う氷河はあらゆる生命体を絶滅に追い込んでいった。約7億年前には全動物の共通祖先と考えられるオタビア・アンティクア(海綿動物)が出現する。
・約6億年前・・・・・・・・・・エディアカラ生物群の登場。肉眼で確認できる大型の多細胞生物が突如として大量発生した。軟物質で形成される彼等はクラゲやイソギンチャク、海綿やホヤ、貝などの動物を残して絶滅していくことになった。
・約5億7000万年前・・・・・・・・・古生代の始まり。カンブリア爆発。この自然現象により、全ての動物の門が出揃う事になる。この頃に生まれた動物をバージェス動物群と呼ぶ。アノマロカリスやオパビニアなどの当時の捕食者が地球の王者だった。外骨格に覆われた動物が地球を支配する時代はその後、カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀まで続く事になる。肉眼で確認できる多細胞生物界でも食物連鎖の法則が成り立っていった。
・約4億2000万年前・・・・・・・・植物の上陸が始まる。
・約4億年前・・・・・・・・・・・・植物を捕食する節足動物をそれを捕食する節足動物の陸上進出。この頃に昆虫類が誕生する。昆虫は微生物と節足動物からそれぞれ進化した。
・約4億3000万年前・・・・・・・・・生物の大量絶滅。オルドビス紀が終焉すると、イカや節足動物や外骨格動物に代わり、魚類が海の王者に成り代わる。シルル紀とデボン紀を「魚類の時代」とも呼ぶが、この頃の魚類に浮き袋や軟質化した骨はない。
・約3億6000万年前・・・・・・・・・脊椎動物(両生類)の上陸。昆虫は身体を大きくする度に脱皮して寿命とエネルギーを縮めるしか無かったが、脊椎動物は内部の骨格の成長に合わせて巨大化するので昆虫類や節足動物とは捕食関係が逆転した。石炭紀の中頃までは陸上は昆虫の支配する時代だった。
・約3億年前・・・・・・・・・・・・爬虫類の出現。肺魚から両生類へ進化した脊椎動物は陸上の環境でも卵を産めるように固い殻を持つ卵を産むようになった。有羊膜類と呼ばれる。この頃の爬虫類は単弓類と双弓類と無弓類に分岐進化していく。無弓類はペルム紀の大量絶滅で種族そのものが絶滅する。
・約2億5000万年前・・・・・・・・ペルム紀の大量絶滅。スーパープルームと呼ばれる地殻変動は地球上の97%の生物を絶滅に追いやった。当時の地球の支配者は哺乳類の先祖となる単弓類であったが、この絶滅をきっかけに勢力を弱める事になる。
・約2億2500万年前・・・・・・・・中生代の到来。ペルム紀の大量絶滅を生き残った双弓類は恐竜とワニ類へ進化していった。生き残った小型の単弓類は哺乳類へと進化して横隔膜を手に入れる。当時の哺乳類は被捕食者だったので、夜行性だった。その為、哺乳類の色覚は2タイプの錘体細胞しか持たない。高酸素環境から低酸素環境に変化した当時の地球では気嚢システムを手に入れた恐竜が当時の地球の支配者だった。
・約1億5000万年前・・・・・・・・鳥類(始祖鳥)の出現。当時の鳥類は嘴を持たず、歯が鋭角に尖っていた。竜盤類の恐竜から進化したものが鳥類と呼ばれている。
・約1億年前・・・・・・・・・・エオマイア(黎明期の母)の登場。胎生能力を持つ有胎盤類に哺乳類が進化した。大陸が分断されたオーストラリア大陸や南極大陸に関しては独自の進化を遂げた有袋類と単孔類が発展していく事になる。
・約6500万年前・・・・・・・・・恐竜の絶滅。約75%の地球上の生物の大量絶滅。原因は隕石衝突とされている。大型の爬虫類と嘴を持たない鳥類、アンモナイトなども絶滅していった。
・約6550万年前・・・・・・・・・霊長類の出現。霊長類の出現時期は様々な仮説があり、7000万年前とも5500万年前とも呼ばれている。プレシアダピス類(偽霊長類)。
・約6500万年前・・・・・・・・・ウサギ目(北方真獣類)に近い動物に進化する。
・約6000万年前・・・・・・・・・ウサギ目のような生き物からツパイ目に近い動物へ進化する。
・約5500万年前・・・・・・・・・ヒヨケザル目と呼ばれるムササビに近い動物へ進化する。
・約4500万年前・・・・・・・・・ヒマラヤ山脈の形成。恐竜絶滅後の時代を新生代と呼ぶ。ヒマラヤ山脈の冷気によって地球全体の気温が下がり、アフリカ大陸のジャングルがサバンナ化したという説がある。この頃には南極大陸もジャングルから氷の大地へ成り代わっている。
・約5000万年前・・・・・・・・・ノタルクタス(霊長類)の出現。現在のキツネザルに近い姿をしていた。原猿類。ヒヨケザル目からの進化系だと思われる。
・約5000万年前・・・・・・・・・肉歯目が恐鳥類から食物連鎖の頂点の座を奪いとる。肉歯目のヒエノドンはアジア大陸で独自の進化を遂げた最初の肉食性哺乳類だった。当時の地球は恐竜の子孫だった恐鳥類と陸上性のワニが支配しておりアジア大陸以外の哺乳類は進化出来ない状態にあった。アジア大陸と他の大陸が陸続きになると、恐鳥類や陸上性のワニ類が肉食性哺乳類との生存競争に敗北する事になっていった。その後、肉歯目自身も独自の進化を遂げた草食性哺乳類と他の肉食性哺乳類との生存競争で敗北して絶滅していった。
・約4000万年前・・・・・・・・キツネザルのような生物だったサル類(原猿類)が真猿類に分岐進化していく。マンドリルのような猿を旧世界猿、オマキサルのような猿を新世界猿と言う。この頃には肉歯目に代わり食物連鎖の頂点に立っていたメソニクス目はクジラやカバなどに進化していき、ミアキスと呼ばれる食肉目はクマやアザラシ、犬や猫に分岐進化している。体長3メートルを越える哺乳類も珍しくなかったが、ヒマラヤ山脈の冷気で多くのジャングルが砂漠化したり洪水現象を起こすようになると、体重40kgを越える動物(メガファウナ)が糞をして土の栄養分を供給したり植物の受粉に役立つ事も少なくなった。砂漠化現象で動物の小型化が進み、群れを成して獲物を狩る動物も一般化したので大型哺乳類は絶滅していく事になる。新世界猿・旧世界猿・人類・大型類人猿の出現。
・約3000万年前・・・・・・・・・2色型色覚しか持たなかった哺乳類だったが、メガネザルのような猿がフォベアの数を増加させて3色型色覚を再び有するようになった。このような視点を立体視と呼ぶ。ティラノサウルスなども立体視を有する動物だった。立体視が出来るようになった猿はビタミンCを豊富に持っている果実を習得して樹上生活を行う事が当たり前になっていった。ショショニアス(原猿類)が3色型色覚を取り戻す。哺乳類以外の生物は4色型色覚である。
・約2800万年前・・・・・・・・・類人猿の出現。テナガザルやオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ヒトの共通祖先の出現。カトピテクス(類人猿)の出現。
・約2000万年前・・・・・・・・・ヒト科とテナガザル科の分岐。プロコンスル。
・約1300万年前・・・・・・・・・・ヒト亜科とオランウータン亜科の分岐。カモヤピテクス?
・約1000万年前・・・・・・・・・・・アフリカのグレート・リフト・バレーの形成。イタリアのオレオ・ピテクス、ヒト上科。
・約700万年前・・・・・・・・・・・トゥーマイ猿人の出現。
・約656万年前・・・・・・・・・・・ヒト族とゴリラ族の分岐。
・約487万年前・・・・・・・・・・・・ヒト亜族とチンパンジー亜族の分岐。直立二足歩行。
・約370万年前・・・・・・・・・・・・アウストラロピテクス(猿人)の出現。道具の使用。脳容量400㏄。猿人の特徴は上半身が人類、下半身がチンパンジーになっており、身長は140cm。
・約250万年前・・・・・・・・・・・・ホモ・ハビリス(原人)の出現。石器の使用(道具の加工技術の始まり)。第四紀時代、氷河期が始まる。脳容量が500㏄。この時はまだスカベンジャーに過ぎなかった。
・約180万年前・・・・・・・・・・・・・ホモ・エレクトゥス(原人)の出現。肉食文化が始まる。脳容量が900㏄ になる。石器を使用して獲物を狩る捕食者に進化する。同時期の草食性のパラントロプス・ロブストスは栄養不足で絶滅する。
・約30万年前・・・・・・・・・・・・・ホモ・ローデシエンシス(旧人)の出現。
・約23万年前・・・・・・・・・・・・・ネアンデルタール人(旧人)の出現。埋葬文化など。脳容量は約1500㏄。
・約20万年前・・・・・・・・・・・・・ホモ・サピエンス・イダルトゥ(新人)の出現。言葉によるコミュニケーション、闘争本能など。ホモ・サピエンスに至るまでに約19種類の人類が絶滅した。脳容量は約1000㏄程度。ミトコンドリアイブの存在もある。
・約25万年前・・・・・・・・・・・・・・ホモ・サピエンス・サピエンス(新人)の出現。現代人ホモ・サピエンスと身体的特徴は何ら変わらない。
・約12万年前・・・・・・・・・・・・・人工的に生み出した火の使用。
・約10万年前・・・・・・・・・・・ホモ・サピエンスがアフリカ以外で世界各地で活動する(出アフリカ)。この時にアフリカに残ったネグロイド(黒人)はネアンデルタール人と交流しなかった為、彼等の遺伝子が受け継がれなかった。
・約7万年前・・・・・・・・・・・・・衣服の着用。トバ事変の勃発。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人以外の猿人と原人、旧人は全て絶滅した。トバ事変後に生き残った人類はホモ・サピエンスとネアンデルタール人のみだったが、ホモ・サピエンスの人口が1万人まで減少した。ボトルネック効果により、人類の遺伝的多様性は失われた。火山噴火により寒冷化が始まり、人類は衣服と居住地の確保、建物の建設をせざるを得なくなった。この事件以降、火山灰の堆積によりヴェルム氷期と呼ばれる厳しい氷河期に突入していく。
・約6万年前・・・・・・・・・・・・・ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの間で異種混血が始まる。ネグロイド(黒人)を除く人類の遺伝子の1~4%にネアンデルタール人の遺伝子が含まれている。おそらくトバ事変の影響で人口が1万人以下に減少したホモ・サピエンスがネアンデルタール人と共同で生活をするようになったか人身売買でネアンデルタール人の女性を手に入れていたと考えられる。現代人はネアンデルタール人とホモ・サピエンスのハイブリッドと言える。赤い髪、白い肌、青い目、金髪などはネアンデルタール人からの贈り物と言われている。
・約5万年前・・・・・・・・・・・・・・クロマニョン人(旧人)の出現。約1万2000年前にアメリカ大陸に隕石衝突。これにより、北米大陸のラクダやスミロドンやグリプトドンなどの大型の哺乳類が絶滅していった。よってメガファウナの動物が減少し、砂漠化の大地が拡大していった。約2万年前には人類の人口が氷河期のピークで2000人まで減少していたこともDNA調査で判明している。
・約3万年前・・・・・・・・・・・・ネアンデルタール人の絶滅。洞窟壁画の登場。絵画・彫刻文化の幕開け。
・約1万5000年前・・・・・・・・・ヒトによる犬の家畜化(動植物の最初の家畜化)。
・約1万2000年前・・・・・・・・・・アメリカ大陸にヒトが移住。
・約1万年前・・・・・・・・・・・氷河期の終焉。日本の氷河も溶けて列島が形成される。日本では縄文時代を迎える。マンモスやオオツノジカなどもこの頃に絶滅した。土器の発明。
・紀元前8800年・・・・・・・・・農耕牧畜革命の始まり。人類は銅という金属も製錬している。
・紀元前3000年・・・・・・・・・・古代エジプト文明、メソポタミア文明、古代中国文明、インダス文明の四大文明の幕開け。猫や豚、鶏や牛などの動物の家畜化と栽培技術も登場した。人類が定住生活を始めたのはこの時期からである。
>大量絶滅の歴史
・約40億年前・・・・・・・・・・・マグマ・オーシャンと呼ばれる天体衝突現象。天体が衝突した事により、地球全体が溶岩とマグマの海で覆われた灼熱の惑星となり、海洋を漂っていた微生物が全て死滅した。本能で地下1万メートルまで逃げ延びた微生物は生き残った。
・約8億~6億年前・・・・・・・・・・スノーボールアース。地球全体が氷河に覆われた極寒の惑星へと変化する。微生物の多くが死滅したがメタン菌と二酸化炭素の化学反応で地球が温暖化していった。しかし、植物が発生させる酸素は当時の微生物には有毒だったので、気温変化と酸素活動に耐えられなかった微生物は死滅していった。酸素を吸収して捕食と二酸化炭素を発生させる動物が誕生する。これがきっかけとなり、多細胞生物が誕生する事になる。
・約6億年前・・・・・・・・・・・ゴンドワナ大陸が分裂したことでスーパープルームが発生。エディアカラ動物群は全滅した。生き残った微生物からカンブリア爆発が始まり、現在の動物の先祖が活躍する古生代の扉を叩くことになる。
・約5億年前・・・・・・・・・・・・古生代カンブリア紀。それ以前の時代は「先カンブリア時代」と呼ぶ。海底の土砂が大陸の地殻変動で移動して、多くのバージェス動物群が生き埋めにされた。骨格が残らないバージェス動物群の化石がある一定の場所から大量発見されるのはその為である。
・約4億4400万年前・・・・・・・・・・古生代オルドビス紀。当時は巻貝や巨大なイカが支配する時代だった。しかし、超新星爆発によるガンマ線バーストを地球が浴び続けた事で大型の動物は大量絶滅していった。
・約3億7400万年前・・・・・・・・・・古生代デボン紀。当時はダンクレオステウスのような巨大な板皮類の魚類が支配していたが、大量絶滅した。全ての生物種の82%が絶滅した。原因は海洋の無酸素事変であるとされている。2度の寒冷化と有機物の堆積は二酸化炭素の減少を招き、海洋で生活する魚類と生物種は絶滅せざるを得なかった。現在の魚類の先祖は強者から逃れる目的と大量の酸素を取得する為に肺呼吸と陸上進出した植物を求めて淡水地域へ生活圏を移した。酸素が欲しかった魚類は最終的に食道の一部を肺に進化させて上陸を果たした。
・約2億5000万年前・・・・・・・・・・古生代ペルム紀。当時はゴルゴノプスやディメトロドンなどの単弓類が支配していたが、地球上の97%の生物種が大量絶滅した。三葉虫もこの時代に絶滅している。原因は大陸の分裂と形成の際に発生される地殻変動と火山の噴火、スーパープルーム現象だとされている。当時の地球は高酸素環境であったが、火山噴火で大量発生したメタンと酸素が化学反応を起こして、低酸素環境を招く二次災害を引き起こした。爬虫類の先祖である双弓類は気嚢システムを獲得して恐竜という大型生物へ進化していった。一方の生き残った単弓類は横隔膜を手に入れて身体を小型化させることで低酸素環境を生き延びた。横隔膜を手に入れた単弓類をキノドン属とも呼ぶ。
・約1億9960万年前・・・・・・・・・中生代三畳紀。当時はワニ類などの大型爬虫類と巨大な両生類が地球を支配していた。全ての動植物の76%はこの時代の大量絶滅で死滅する。原因はスーパープルームから続く活発な火山活動の噴火が原因とされる。当時はペルム紀から続くパンゲア大陸という超大陸を形成していた。小型だった恐竜はニッチを埋める為に草食恐竜と肉食恐竜へ分岐進化していった。当初は肉食恐竜(竜盤類)だけだったが、草食性の単弓類や爬虫類が絶滅した事をきっかけにして恐竜の中にも植物食性の個体が発生するように成った。
・約6500万年前・・・・・・・・・・中生代白亜紀。当時は恐竜と大型爬虫類が支配する時代だったが、北米のユカタン半島に落下した隕石衝突が原因で約70%の生物種が絶滅した。中生代を代表するアンモナイトもこの時代の大量絶滅で姿を消した。歯を持った原始的な鳥類もこの時代に姿を消した。霊長類とよく似た特徴を持つ偽霊長類も絶滅した。哺乳類はネズミのような生き物しか居なかったように思われるが、実際には犬や猫、猿程度の大きさと見た目を持つ哺乳類も生息していたらしい。
・約7万年前・・・・・・・・・・・・新生代第四紀時代。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人以外の人類が絶滅する。トバ事変の勃発である。トバ火山の活動と噴火により多くの人類が絶滅に追い込まれた。火山噴火による火山灰は太陽光を遮り、寒冷化と餌不足を招いた。この事件をきっかけにホモ・サピエンスの人口は1万人まで減少した。その為、遺伝的な多様性も失われた。当時のホモ・サピエンスと人類は衣服を着用していなかったとも言われており、この事件をきっかけに人類は衣服の着用と建物の建設を始めたとする仮説もある。
・約1万2000年前・・・・・・・・・・北米大陸に隕石が衝突。これにより北米大陸のラクダやスミロドン、グリプトドンやギガントピテクスなどの大型哺乳類が次々と絶滅していった。体重40kgを越える大型動物をメガファウナと呼び、彼等が撒き散らす糞は土壌にリンなどの土に必要な栄養分を与えたり、植物の受粉地域を拡大する役割があった。しかし、体重40kgを越える大型動物が氷河期の寒冷化と隕石衝突、火山噴火、小型生物との生存競争の敗北などに敗れるとメガファウナの条件に合う大型動物の数が減少して、砂漠化地域が拡大していった。メガロドンなどの大型の古代サメはバシロサウルスやシャチなどの小型の動物の群れとの縄張り競争に敗北して絶滅したと言われている。哺乳類の多くは群れを形成してチームワークで狩りをする習性があるので、大型動物が絶滅した原因は小型哺乳類との生存競争の敗北とする意見も多い。
・16世紀以降・・・・・・・・・・・・人的要因によって多くの動植物が絶滅していった。ドードー鳥やモア、ニホンオオカミなどの動植物である。人類が絶滅させた動物の種類は全体で約70%に上ると報告する学者も居る。人的要因で絶滅する動物の絶滅原因は大量の狩猟と環境破壊によるものとされている。マンモスやオオツノジカを人類によって最初に絶滅させられた大型動物と報告するメディアも多かったが、最近はそれらは環境の変化と自然淘汰によるものとする意見もある。