2019年1月13日日曜日

 「歴史を動画で知ろう!」シリーズ第5回の今日は陰生代編です。地球史の時代区分についてサラッと説明すると地球史には大きく2つの時代に分けることが出来ます。顕生代と呼ばれる時代と今回の陰生代と呼ばれる時代です。顕生代は古生代・中生代・新生代をセットにした大きな時代区分の一つで地球史としては古生代・中生代・新生代はセットの顕生代として扱うようです。ならわざわざ顕生代を細かく分けて古生代・中生代・新生代にしなきゃいいじゃんって話なのですが地球史では省略され易い顕生代の中身も自然史や生物史においては重要なカテゴリになるので顕生代を更に時代区分する必要性はあります。地球史においての顕生代の扱いは生物メインではなくて時代毎における地球環境の変動や大気の流れ、大陸移動や宇宙が地球に及ぼす影響など地球における重要イベントが注目されやすく生物の進化や絶滅生物についての生態は生物史や自然史がメインになってくる。顕生代と陰生代の区分は他の地質時代同様極めてシンプルです。肉眼で確認出来る生物の登場までを陰生代、肉眼で確認出来る生物が登場し始める時代区分を顕生代と呼びます。分かり易く言うと、陰生代は地球と宇宙の歴史、顕生代は生命の歴史なのです。肉眼で確認出来る生物の登場こそが古生代のカンブリア紀に始まったバージェス動物群達であり、生物や地学の教科書では肉眼で確認出来る生物の始まりは古生代のカンブリア紀から始まったとなってると思います。肉眼で確認出来る多細胞生物の登場は約5億4200万年前なのでその時代までが今回の記事で扱う「陰生代」となります。陰生代は別名先カンブリア時代とも呼ばれています。一般人や学生が生物や地学を学ぶ際、地球が誕生してから古生代に至るまでの時代名を習ったのはおそらく「先カンブリア時代」でしょう。おそらく先カンブリア時代という名称の方が一般の方には親しみがあるかもしれませんね。古生代のカンブリア紀よりも古い時代なので「先カンブリア時代」となっていますが、その時期はとてつもなく長くカンブリア紀の直前の時代であることは間違いありませんがタイムスケールがかなり大きい時代になります。このブログでは古生代や中生代の対義語として、一般人に分かり易く解説する為に今後は「先カンブリア時代」として取り扱う事にします。先カンブリア時代はタイムスケールがかなり大きい時代ですが古生代などと同様時代区分は可能なようで各時代によって地球や生命の特徴の変化を伺える事ができます。46億年という長い長いタイムスケールは一般人でも分かりやすくなるように1年のカレンダーに置き換えられることが多い。そのタイムスケールをまとめた動画も用意しているのでお楽しみに!
 先カンブリア時代も古生代や中生代と同じく細かい時代区分が成されています。約137億年前から始まった宇宙の誕生から約38億年前を冥王代と呼びます。この時代は宇宙と太陽系が形成されて、約46億年前には地球が誕生しました。10個のミニ惑星同士の衝突が火星以外の太陽系全ての惑星で起こり、地球は惑星同士の衝突によってマグマの海に覆われた太陽のような灼熱の惑星となっていました。約40億年前に地球が宇宙空間の中で冷却されて大気に覆われ、それが雨を降らして海と溶岩まみれだった地面を陸地に変えました。この時代の地層が今のところ最も古い地層なので太古代とも呼びます。毎日嵐が巻き起こり、海はまるで鍋の中のスープのようにかき回され続けました。その光景はまるで神話の世界のようなものでした。嵐の中に頻繁に起こる雷の落下。それは海の中にある水素や二酸化炭素などの単純な元素を化学反応させてアミノ酸やDNA、RNAなどの複雑な物質(有機化合物)を生み出す要因にも繋がりました。約40億年前には海の中で単細胞生物(古細菌(アーキア)と真核細菌(バクテリア))が誕生。しかし、その後数億年の間に8回起きたと言われる「全海洋蒸発」による生物大量絶滅が彼等を苦しめました。海が完成し生物の楽園が生まれた矢先に40億年の間に8回起きたと言われる「全海洋蒸発」は巨大隕石の衝突によってもたらされました。かつてのマグマ・オーシャンのような世界が数千年という期間続き、海の中に暮らしていた単細胞生物は全て死滅しました。この大量絶滅がおそらく最古の大量絶滅イベントでしょう。単細胞生物は数百メートル先の地下へ逃げ延び、約8回起きたと言われる全海洋蒸発現象から生きぬきました。その後、約38億年前に光合成生物が誕生。藍藻類は大量発生して巨大なストロマトライトを形成し当時の地球を緑溢れる惑星へ変貌させました。しかし、藍藻類(シアノバクテリア)が光合成により発生させる酸素という元素は当時の生命にとって毒に繋がる危険な物質なのでした。当時の生命の好物は二酸化炭素や硫化水素という猛毒な化学元素で当時の生命は二酸化炭素を吸収する事によって生きていました。ところが藍藻類が発生させる酸素という新たな元素の登場は酸素を嫌う多くの生命を絶滅に追いやっていきました。
 約28億年前にはスノーボール・アースという現象が地球に発生しました。地球全体が氷河に覆われて海に氷床まで出来上がるこの現象は地球生物の多くを危機に陥れました。しかし、シアノバクテリアが発生させた酸素とメタン菌との化学反応で温室化ガスが海中から溢れた事で厳しい氷期を生物たちは乗り越えました。

 約25億年前になると「始生代」という時代になりました。約20億年前にはバクテリアがミトコンドリアを取り込んで真核生物へと進化していきました。真核生物とはミトコンドリアと中心体を持った細胞核のある細胞の事です。単純な構造だったバクテリアは様々な生物と共生することで一つの細胞として生き抜く決意を固めました。光合成生物が放出する酸素を嫌っていたバクテリアはそれを活動エネルギーとして変換する為にミトコンドリアを体内に共生させて絶滅の危機から生き抜こうと工夫しました。ミトコンドリアも最初はバクテリアと敵対関係にありましたが、バクテリアに吸収されて酸素を好む生物へと還元していきました。バクテリアレベルに過ぎなかった単細胞生物はミトコンドリアとDNAを体内に共生させることで真核生物へと進化していきました。
 ミトコンドリアの登場によって生物界に菌類界、原生生物界、動物界、植物界、モネラ界という新しい界が誕生しました(五界説)。酸素を吸収し二酸化炭素を放出する。そして、その二酸化炭素を吸収し植物は酸素を放出する。酸素と二酸化炭素の地球内部でのサイクル活動はこの頃から始まりました。約10億年前には単細胞が結集しあって一つの生物に合体した多細胞生物が出現。同時に原口を備え付けた微生物が誕生して細胞核を食い破る生物まで現れ始めました。元々細胞核は捕食生物から身を守る為に備え付けたものだったらしいのですが、生物に口が誕生した為に強烈な食物連鎖の法則が成り立ってしまったようです。それまでの生物は細胞核や細胞壁のない生物を吸収することでエネルギーに還元してきました。ちなみに葉緑体とミトコンドリアを持った生物は植物と呼びます。
 約8億年前には自転の関係で地球全土が氷河に覆われる二度目のスノーボールアース(雪玉地球)現象が発生。酸素とメタン菌の化学反応で温暖だった地球は一変して一気に寒冷化してしまい植物は勿論、ミトコンドリアを抱いた真核生物の多くも絶滅の危機に瀕しました。スノーボールアース現象は28億年前と8億年前に2度発生しました。しかし、そんな危機的な状況でも生物は進化の道を歩み続けました。約7億6000万年前に地球最古の動物と言われるオタビア・アンティクアが誕生。この生物は海綿動物に分類され、肉眼では確認できない多細胞動物でしたが人類や哺乳類、恐竜や魚類、バージェス動物群など全ての動物の共通の祖先であり開祖とされています。また2度目のスノーボールアースは海底火山の噴火や地表のプレート移動時の地熱、巨大な台風と大雨によって発生した過酸化水素水と二酸化炭素の増加によって氷が溶けたようです。

 約6億2000万年前に体の内部がコラーゲンに覆われた多細胞生物が出現。地球史上初肉眼で確認出来る多細胞生物の一群を「エディアカラ生物群」と呼びます。このエディアカラ生物群の餌は酸素と地中や海中に漂うバクテリアだったと言われ、殆どの生物がイソギンチャクやクラゲのような体の水分が90%を占める軟体状の動物だったようです。貝の祖先(ディッキンソニア)も誕生しており、この時代には既に海綿動物はクラゲやイソギンチャク、貝といった単純な構造で出来ている生物(刺胞動物)に進化していたようです。この時代の我々の先祖はクラゲに似たような生物だったと考えられています。約5億4200万年前に突如エディアカラ生物群はクラゲやイソギンチャク、貝類、ヨルギアといった一部の生物を残して絶滅していきました。
 原因はスノーボールアースの終焉によって微生物から進化したと言われるバージェス動物群に全て捕食されてしまった為だとも言われています。バージェス動物群の登場は捕食という食物連鎖の自然法則を生み出し、同時に動物界を構成し、殆どの動物の門を登場させる歴史的な出来事でした。このようなバージェス動物群の発生をカンブリア紀とビッグバンにちなんでカンブリア大爆発(カンブリアン・エクスプロージョン)と呼びます。バージェス動物群がどのように誕生したのかは不明ですがおそらくスノーボールアースの終焉によって肉眼では確認出来なかった多細胞生物(微生物)が大型進化した為ではないかと言われています。彼等は目を持っており、目を持たず足やヒレと言った移動機関を持っていなかったエディアカラ動物群はバージェス動物群との生存競争において無力でした。エディアカラ動物群の絶滅は顕生代という動物世界の激しい闘争の歴史の扉を開き、古生代という新たなステージを迎える為のプロローグ的なものでした。エディアカラ動物群の絶滅によって荒らぶっていた地球創世と生命誕生という重要なイベントを含んでいた先カンブリア時代(陰生代)は終焉しました。
 
 しかし、それは同時に生物の進化と絶滅の輪廻、闘争本能がぶつかり合う生存競争の歴史(顕生代)の幕開けでもあったのです。古生代では無脊椎動物の繁栄から始まり、その後覇権を握った脊椎動物が魚類、両生類、爬虫類、単弓類(哺乳類型爬虫類)という形で進化していき、植物や昆虫、節足動物と共に海から陸地へ進出していきました。中生代では生物史上最大規模だった大量絶滅「スーパープルーム」から生き延びた爬虫類が恐竜へと分岐進化し大いに繁栄していきました。しかし、彼等もスーパープルームの一番の被害者だった単弓類と同じく白亜紀の大量絶滅、巨大隕石の衝突による「衝突の冬」により絶滅していきました。新生代では単弓類の申し子である哺乳類が恐竜の子孫である鳥類から地上の覇権を再び奪いました。それにより、哺乳類は恐竜のように多種多様な形態へ進化していき空や海の世界にも進出していきました。700万年前程には霊長類から進化した猿人が200万年前程に人類へ進化していきました。地球全土を支配する第4の支配者となった人類は1万年前の氷河期の終焉と共に文明を興しました。それが有史時代の始まりです。本や粘土板などの記録媒体で歴史を残した時代、文明を興した歴史以降の事を有史時代と呼び、それ以前を先史時代と呼びます。西暦1年にはイェス・キリストが誕生。彼の思想である宗教、キリスト教を世界の基準としてイェス・キリスト誕生以前を紀元前と呼び、キリスト誕生後を紀元後(西暦)と呼びました。人類の歴史は生物の歴史と同じく戦争による繁栄と滅亡の繰り返しでした。


<先カンブリア~現代までの歴史>
 万物というと、神になったような気分でおこがましいですが、万物の元とも言える宇宙の誕生は約137億年前に起こりました。一般的にはビッグバンと呼ばれる狭い空間の爆発による宇宙の晴れ上がりによって宇宙が拡大し宇宙空間が形作られたとされています。最近話題のビッグス粒子はこの宇宙誕生の鍵を握ってるとも言われていてビッグバン現象の解明に重要な粒子です。学会で異端視されているインフレーション理論と呼ばれる理論もありますが現在はビッグバン説が有力なようです。インフレーション理論とは無から発生した小宇宙が徐々に膨張していくというもの。小宇宙の中に大宇宙があり、宇宙は時間が経過していくと共に無限の広がりを発生させていくというものです。この理論を唱える人は東大の佐藤教授など。
 約46億年前には地球が誕生。地球誕生以前には太陽と太陽系の星々が形成されていたようです。地球や太陽系の星々は太陽と地球、水星、金星、火星と限られた惑星しかなかったようですが徐々に増えていき現在の太陽系が形作られました。太陽系の軌道上には幾つかの惑星が同じ軌道を回っている状態で地球はおよそ10個のミニ惑星が衝突して融合して作られたマグマと岩石の惑星だったと考えられています。惑星同士の衝突で弾き飛ばされた星が月になりました。太陽系の惑星の大きさは過去にいくつものミニ惑星同士が衝突して融合した回数に比例した大きさでした。火星だけはミニ惑星の衝突がありませんでした。約46億年前から始まるその後の時代を冥王代と呼びます。この時代は約38億年前という長い期間続きました。この時代に起こった地球と宇宙のイベントは地殻と海の形成、海が誕生した結果生まれた単細胞生物の誕生などがあります。地球は最初はゴツゴツとした岩石まみれの熱い星だったそうですがジャイアント・インパクトと呼ばれる小惑星同士の衝突で地球の表面積が増大していきマグマの海(マグマ・オーシャン)と化してたようです。月は約45億年前に誕生。マグマの海と化していた地球に水蒸気が大気に集合して雨が降り注ぎ地熱が固まりそれが陸地となって雨が溜まった巨大な水たまりが海となったようです。
 約40億年前には直径約400キロメートル級の巨大隕石が時速数万キロメートルで40億年間の間に8回降り注いだと言われている。最も大規模で最後だったと言われる40億年前の隕石衝突。それにより地殻津波が発生して地球の海を全て干上がらせた「全海洋蒸発」という現象が起こったと言われている。地表は隕石衝突により発生した運動エネルギーが熱反応を起こして、秒速300メートルの熱風を地表全土に巻き起こした。海は全て蒸発し、マグマ・オーシャンと同じ摂氏6000度の灼熱の溶岩が焼き付き、海に暮らしていた当時の全ての細胞や微生物を死滅させたとNHKスペシャルの『地球大進化』が伝えている。これが地球史上初となる大量絶滅である。津波の発生により、ハイパーハリケーン(6000hpaの台風)と呼ばれる秒速300メートルの暴風と高さ100メートルの大津波も発生した。このハイパーハリケーンと巨大な隕石衝突で発生した全海洋蒸発によって地球の全ての生命は根絶やしにされたと思われていた。ところが地下数千メートル先まで逃げ延びた微生物だけは無事だったと言われる。この時代に逃げ延びた微生物が後に動物や植物を生み出す細菌(バクテリア)や古細菌のような微生物へと進化していった。40億年前の大量絶滅後、顕生代の時代に入っても地球は生命に対して過酷な試練を与え続けた。6億年前程には地球全土を凍結させるスノーボールアース事件が発生。これにより生物は酸素を吸収し体に熱を作り、二酸化炭素を排出するように身体の仕組みを変えざるを得なかった。また肉眼では確認出来ない単細胞生物も身体にコラーゲンを作り、エディアカラ動物群として進化して生き延びるようになるしかなかった。約5億4000万年前に捕食による食物連鎖関係が生まれる。動物が動物を食べるという同類を食う関係が顕生代に入り、始まった。

 顕生代の時代に入ると生物の歴史は絶滅と繁栄の繰り返しの歴史を行う事になる。カンブリア紀に最初に繁栄したバージェス動物群もおよそ4000万年後のオルドビス紀に入る頃には殆どが生存競争に敗北して絶滅していった。生命は地球環境の激変で絶滅することもあるが、大半は生存競争による敗北で絶滅していく。顕生代に入り、地球の環境激変と天変地異による5度の大量絶滅をビッグ5と呼ぶ。ビッグ5はオルドビス紀、デボン紀、ぺルム紀、三畳紀、白亜紀の5つの時代の末期に起こった大規模な生物大量死事件であった。ペルム紀と白亜紀の大量絶滅はあまりにも有名であろう。ペルム紀には我々哺乳類の先祖、単弓類(哺乳類型爬虫類)の多くが死滅し没落していった。白亜紀には恐竜を初めとする大型爬虫類の多くが死滅した。三畳紀はキノドン属を除く単弓類と大型両生類が完全に絶滅。デボン紀にはダンクレオステウスのような海洋性の大型魚類が全て死滅した。オルドビス紀に繁栄していたオウムガイのような巨大イカも全て死滅していった。このようにビッグ5に起こった大量絶滅は全長10センチ以上の動植物は全て絶滅するという悲惨な出来事だった。新生代の絶滅動物の多くは生存競争の敗北か小惑星の衝突によるものとその影響で起こった氷河期という地球環境の激変で死滅していった。有史に入ると人間が営利と食糧目当てで多くの動植物を絶滅に追いやった。陰生代に起こった大量絶滅については顕生代とは比べ物にならないほど被害が大きいもので、特に地殻津波とスノーボールアースについては微生物や原始的な多細胞動物程度しか生き残れない程危険な大災害・天変地異であった。それぞれの特徴と似た小規模な天変地異としては恐竜絶滅の原因になった白亜紀の隕石衝突と氷河期の到来があるが、どちらも陰生代の大量絶滅に比べれば赤子レベルの小規模なものである。
 生物の進化は生命に危険な状況が訪れなければ進化する必要がない場合が殆どである。例えば、生命が酸素を吸収し二酸化炭素を排出せざるを得なくなったのは藍藻類がストロマトライトと呼ばれる藍藻の大量発生が原因だったからである。植物の先祖と言われる藍藻は二酸化炭素を吸収して光合成によって酸素を作り出す生命だった。だが、当時の動物細胞にとって酸素というものは毒だった。当時の動物細胞に捕食機能はなかったので藍藻を捕食して数を減らす事は出来なかった。だから、自ら酸素を吸収して二酸化炭素を排出する身体の仕組みに切り替えた。メタン菌と酸素の温室効果ガスにより、スノーボールアースの氷河が溶けて温暖な海が広がると生命は単細胞生物から多細胞生物へ進化していった。最初の多細胞動物、エディアカラ動物群が突如現れたバージェス動物群に食い尽くされた。そこで生命は捕食機能を有した捕食者から逃れる為に目という感覚器官を誕生させた。だが、それは捕食者の方にも備わる形となってしまい食物連鎖の輪から抜け出す事は出来なかった。デボン紀の大量絶滅では海洋に無酸素環境が続いたので哺乳類の先祖にあたる魚類は河口付近へ逃れて陸上に進出した植物が排出する酸素を吸収しようとした。そこで食道の一部を肺に進化させて生き延びる為に水の世界の外で酸素を手に入れようとした。中生代に入ると、仲間の多くが死に絶えた単弓類は哺乳類へと進化する為に低酸素環境を生き延びる為に横隔膜を生み出して腹式呼吸による呼吸法を応用した。その発展で生まれたのが肋骨を減らす事でお腹の空白部分に子を宿す胎生という出産方法だった。恐竜は気嚢を身体の中に作り出し常に新鮮な空気を肺に入れ続ける方法で身体を巨大化させていった。新生代に入ると哺乳類はニッチを産める為にアジア大陸で拡散的に多様な進化を遂げていくことになる。人類は自分達の住んでるジャングルがヒマラヤ山脈の形成による寒風の寒冷化で砂漠化した為、食糧不足を克服する為にジャングルを降り立ち直立二足歩行を始めたと言われる。脳の巨大化は肉の摂取カロリーとより多くの栄養を確保したいと考える力により身に付いた副産物だった。

 次の時代の始生代は約38億年前から約25億年前の間、続きました。この時代の初期に地球史上全ての生物の元となる最後の共通祖先が生まれたようです。細菌と古細菌の祖先もこの時代に現れました。ストロマトライトを形成した藍藻類が地球上に酸素を供給し始めましたが酸素は当時の生物にとって命を奪いかねない有害な毒でした。当時の生命は二酸化炭素などを吸収して生活するものでした。藍藻は地球史上初めて光合成を行い酸素を供給する真性細菌でした。いわば植物の先祖です。ストロマトライトを形成した藍藻はたちまち地球の海を光の加減で赤っぽく見える濃い海の色を温かで優しい緑豊かな色の付いた海へと変えていきました。
 生命の誕生については謎が多く、古生物関係の番組で生命の誕生に触れる番組は減りました。仮説は色々ありますが、隕石に付着する元素が海の元素と化学結合を起こして複雑な元素を生み出してアミノ酸などの生命に必要なスープ(素)のような物を生み出して生命を誕生させたとか言われてます。最も有力なのは雷のような強大な自然現象によって海の元素が化学反応を起こして結び付いて生命を生み出したと言われています。実際に太古の海を再現した実験で雷に見立てた電気反応を起こすと生命に必要な物質が生まれたそうです。太古の地球は環境が不安定で常に雷と台風、津波や地震が巻き起こる自然災害まみれの過酷な星だったそうです。
 最後の時代の原生代は約25億年前から約5億4200万年前まで続きました。元々原生代の代名詞が先カンブリア時代だったようですが最近は地球誕生から古生代以前を先カンブリア時代と呼ぶようになっているようです。藍藻類によって大量に発生した酸素がオゾン層を形成し有害な紫外線が地表に届かなくなったようです。古細菌類から原始的な真核生物が分岐してαプロテオバクテリア(後のミトコンドリア)を取り込んで共生した事で真核生物が誕生した。真核生物の中には動物、植物、菌類、原生動物という4つの界(細胞のまとまり)のようなものがあり、外部からその細胞を進化させやすい要素あるいは行動を取り入れるとその4種類の生物へと進化していく。植物や藻の系列には光合成を行う葉緑体の細胞が含まれている。原生生物というのはアメーバやゾウリムシなどの微生物などのことである。中には微生物じゃない生き物も含まれるが殆どは微生物である。菌類はキノコ・カビ・胞子などのことである。菌類と植物は関係が深い生き物である。ここで現生生物における4種類の大まかなグループが形成されることになる。葉緑体の細胞を取り入れた真核生物は植物へと進化していった。それが藍藻となり地球の海に酸素を供給して当時の生命の殆どを死に追いやった。真核生物の進化については私も専門家ではないので説明し難いがオーソドックスな仮説としてホイタッカーの五界説がある。葉緑体を取り入れ光合成をする真核生物が植物細胞へ進化していき、運動をする真核生物が動物細胞へと進化していき、体の表面で有機物を溶かして自分の体に吸収して生活する真核生物が菌類へと進化したという説だ。おそらく地球に現れた生物グループの順番としては酸素を供給する藍藻の登場が最初であろう。次に藍藻を捕食し藍藻の数を減らす事で酸素の量を減らす事を目論んだ動物細胞が現れた。動物細胞や植物細胞の死骸を菌類細胞が溶かし吸収した。原生生物細胞はおそらく3種の細胞から分裂して誕生したと思われる。真核生物の3つの行動パターンがその後の生物界の多種多様化を推し進め今日の生物界が形作られたという話である。原生生物は3方向にそれぞれが進化を目指したが中途半端な行動パターンで進化を目指したので進化が停滞しているという訳である。原生生物についての説明は私なりの解釈が含まれてるので間違っている可能性が高い。原生生物はいわゆる単細胞生物で微生物の事を指すが、微生物や単細胞生物に該当しない生物も含まれてることがある。またミトコンドリアを持たない原生生物も居るらしい。この4つの界の誕生により今日の生物界が形作られ、多細胞生物が誕生する原点となった。高度で複雑な細胞達はやがて分裂増殖して子孫を残すやり方(無性生殖)以外に他の細胞と交配して子供を作るやり方(有性生殖)に切り替えるようになった。
 約7億6000万年前には地球最古の多細胞動物「オタビア・アンティクア」が生まれる。アフリカのナミビアで2013年に発見された。地球の動物の最古の先祖は海綿動物だと言われているが、実際にその当時の海綿動物が発見されたのは今回のが初なのではないかと思われる。海綿動物とは英語で言うと、スポンジの事である。キッチンなどで使ってるスポンジは人工的に樹脂で作られている。海綿は海に漂う体が柔らかい原始的な生き物で1000年も2000年も生きる個体も居ると言われている。オタビアは砂粒程度の肉眼では確認できない動物だが、2度のスノーボール・アース現象を生き延びた偉い御先祖様になる。おそらく、この海綿動物の子孫が後にエディアカラ動物群やクラゲや貝、ウニ、脊椎動物、無脊椎動物やバージェスモンスター達に進化していったと思われる。海綿動物は後にクラゲ等の刺胞動物に進化していき、ウニやヒトデなどに分化していった。そこからプラナリアやバージェスモンスター、タコやイカなど、脊椎動物(魚類、ヌタウナギ?)に分岐進化していった。昆虫は何らかの現象で石炭紀以前に微生物から甲殻類と共に肉眼で確認出来る大型動物に進化したというのが最近の通説になっている。だが、オルドビス紀にはサソリの先祖としか思えないウミサソリが登場しているのでクモやサソリなどの節足動物はオルドビス紀の時点で登場している。勘違いしている人が多いが、クモなどの節足動物と昆虫は同じ昆虫というグループではない。
 約6億2000万年前から約5億4200万年前の原生代のエディアカラ紀には肉眼で確認出来る最初の生命体「エディアカラ生物群」が登場する。彼等は別名ヴェンド生物とも呼ばれる。これが地球史上初めての多細胞生物の登場である。それまでの生物は顕微鏡でしか分からない単細胞生物の世界であった。肉眼で確認出来る生物というのは揺るぎない事実なので古生代のカンブリア紀に生きていたバージェス動物群よりは古い。だが、生物の教科書や古生物を取り扱うテレビ番組などでは何故かスルーされがちなので一般の人はバージェス動物群から肉眼で確認出来る多細胞生物の歴史がスタートしたと勘違いしている人が多そうである。発見場所オーストラリアのアデレードの北方にあるエディアカラの丘陵で発見された事からエディアカラ動物群の名称が付けられた。エディアカラ生物群の特徴としては全体的に柔らかい軟組織の体で構成された軟体動物のような生き物が多く現在見られるクラゲやイソギンチャクに近い刺胞動物が太古の海で暮らしていたと推測されている。貝やウニの先祖にあたる動物も既に生息していた。有名な生き物に楕円形のパンケーキ状の形をしたディッキンソニア、クラゲ状のネミアナ、三葉虫を更に丸くしたようなヨルギア、イソギンチャクのようなエディアカリアなどがその当時の海底に生きていた。ヴェンド生物とは動物でも植物でもない全く別の生物群と考えられている全く新しい生物で学者の間でも頭を悩ませる存在である。エディアカラ生物群が肉眼で確認出来る最初の生物と認識されないあるいは定義されないのはエディアカラ生物群の正体が現在の地質学会の間でもはっきりしないからだと思われる。多細胞生物であることは間違いないらしいが中には生物かどうかさえも怪しい種も居るらしい。エディアカラ生物群の体内は空洞の者も居るらしく生物学者の頭を悩ませている古生物群であることは間違いないだろう。現生の全ての動植物の祖先はエディアカラ生物群の幾つかの種類と考えられているようだが生態も生体もはっきりしない種ばかりなのでどの動物グループの祖先がエディアカラのこれとかあれという具合に決まってはいない。人類(脊椎動物)の直接の先祖はこの時代ではクラゲやイソギンチャクのような刺胞動物だと考えられている。その刺胞動物から臓器が進化したホヤになったと考えられているが証拠となる化石は発見されていない。近年ではエディアカラ動物群の正体は陸上に住む地衣類もしくは微生物のコロニー群という仮説があるが三葉虫の直接の先祖にあたるヨルギアが居るのですべてのエディアカラ動物群が地衣類とは考えにくいだろう。

 5億4200万年前になるとエディアカラ生物群は突如地球上から姿を消すことになった。絶滅の要因はカンブリア爆発によって多様化を極めた
バージェス動物群に食い尽くされた結果というのが定説になっている。アノマロカリスやオパビニアのような強力な捕食者が現れ出したカンブリア紀には彼等の攻撃から身を守る為に外骨格をまとった三葉虫のようなバージェス動物群が現れることになる。中には脊椎動物の先祖となるハイコウイクチスやミロクンミンギアのように体内に堅い背骨を持つ動物(魚類)も現れ、カンブリア紀には現生の動物界のほぼ全ての門が出揃ったと言われている。軟組織を持つ多細胞生物の時代は1億2000万年という恐竜の生息期間に匹敵するほど長い期間だった。彼等はバージェス動物群により絶滅させられたものもスノーボールアースと呼ばれる地球全体が氷によって凍結する現象にも必死に耐え忍んだ。絶滅したものもカンブリア紀のカンブリア爆発の時にバージェス動物群として進化した種類もいくつか居るらしいので彼等のDNAは完全に滅んだとは言えないのだ。
 NHKスペシャルの「生命40億年・はるかなる旅」によれば、捕食による食物連鎖という自然法則が生まれた為、動物に目という感覚器官が生まれたと言われている。カンブリア紀に発生したバージェス動物群以前のエディアカラ動物群やオタビア・アンティクアのような多細胞動物には目がなかった。また、動物が堅い外骨格や内部に骨の原型となる脊索を持つようになったのも捕食者から身を防御する為に得る事になった防具だったとも言われている。それ以前の動物に骨や外骨格はなく、柔らかく体内の水分容量が90%を越える動物ばかりだった。脊椎動物の全ての先祖であるハイコウイクチスや脊索動物のピカイアは身体を滑らかに素早く動かせるように舵として体内に脊椎や脊索を持つようになった。ハルキゲニアは背中に棘を持って自己防衛に臨んだ。三葉虫は堅い外骨格と地面に潜ったり石に擬態する為に体色を茶色にした。捕食者のアノマロカリスは複眼を持ちより多くの獲物を狙うようになった。オパビニアは8つの目を持って獲物をホースのように長い触手で捕食し続けた。
 約5億4200万年前から地球史では顕生代の時代に入り、生物史と自然史の始まりである古生代のカンブリア紀が始まった。最初に地球を支配した生物はバージェス動物群と呼ばれる硬い外骨格に覆われた無脊椎動物達だった。彼等は絶滅したが彼等の子孫である節足動物(ウミサソリ)やタコなどの頭足類・軟体動物が次の時代のオルドビス紀を支配し、次のデボン紀で節足動物が陸上進出を果たした。ウミサソリはサソリやクモのような動物に進化したが、身体を大きくする方法がエネルギー効率の悪い脱皮しかなかったので身体があまり巨大化しなかった。シルル紀でハイコウイクチスなどの小型魚類から進化を遂げた魚類が大型化し地球を支配し植物が生物の中で一番最初に陸上へ上陸した。石炭紀で微生物から進化した昆虫類と甲殻類(蟹や海老など)が陸上進出すると大型化し陸上を支配するようになった。だが、彼等の天下もすぐに脊椎動物に奪われた。古生代最後の時代のペルム紀で魚類は陸上進出を果たして両生類へ進化した。両生類は有羊膜類と呼ばれる卵の殻を持つ卵を産むようになると爬虫類(双弓類)と単弓類(哺乳類型爬虫類)、無弓類(スクトサウルスなど)へ分岐進化していった。単弓類は陸上で繁栄した地球史上初の大型グループ動物だったがぺルム紀の大量絶滅(スーパープルーム)で多くの種類が絶滅していった。唯一生き残った種は現生の哺乳類の先祖にあたるキノドン属というグループ種のみだった。
 中生代では爬虫類から分岐進化した恐竜が大型化し陸上を我が物顔で支配するようになった。第二の地球の支配者である。そして空と海は爬虫類の仲間である翼竜と魚竜、首長竜が代の期間丸ごと支配するようになった。三畳紀末期に単弓類から分岐進化した哺乳類が現れるが彼等はネズミほどの大きさしかなかったので小型恐竜の餌に過ぎなかった。ジュラ紀に花を付ける被子植物と恐竜から分岐進化した鳥類が現れた。こうして脊椎動物の主な5鋼が揃った。そして、6550万年前に巨大隕石がユカタン半島に落下すると恐竜と大型爬虫類は絶滅した。
新生代では哺乳類よりもスタートダッシュが早かった鳥類の一部が大型進化して恐鳥類になった。また爬虫類の生き残りであるワニも新生代初期には多種多様な進化を遂げており陸上に特化した巨大なワニも生きていた。彼等は小型哺乳類を餌にしていたが哺乳類が多種多様に進化し大型化していくと肉歯目などに食物連鎖の頂点のニッチ(捕食者の立場)を奪われ形成を逆転させられた。彼等はハイエナのようにスカベンジャーとしてネコ科の食肉目スミロドン達の食べ残しを漁っていたが生存競争に敗北して絶滅した。だが、スミロドン達や大型の草食哺乳類も生存競争に敗れたり餌不足で絶滅していった。小型の現生動物に餌場を取られた事も大きいが環境の変化に付いていけなかったのだろう。約400万年前に猿人が現れ原人、旧人、新人へと進化していき今のホモ・サピエンスが人類の頂点として文明を築くことになった。ホモ・サピエンスが20万年前に現れるまで約20種類以上の人類が絶滅しては進化していったとされている。ホモ・サピエンスもDNAの調査結果から約数万年前に約2000人の人口しか生きていなかった時代があったようでホモ・サピエンスも他の人類と同じく絶滅の脅威に晒された時期があった。ホモ・サピエンスだけが手に入れた「声」は言葉のコミュニケーションを確立させ個体間同士の意思疎通と情報伝達を急速に広めていった。それが「文化」の始まりである。人間は言葉を用いて、絵や音楽、彫刻、文字など現在の芸術に繋がるルーツを築いていった。言葉の誕生こそがホモ・サピエンスが他の人類と違って唯一絶滅から逃れられた切り札だったのだ。1万年前に氷河期が終わると人類は農耕と文明を開いたが、欲望と利益に溺れて戦争と武器の歴史も同時に興してしまった。古代では世界に四大の文明が築かれた。世界に広がる三大宗教の二つも生まれた。小さな集団が集まり、国を形成して法律と秩序、文化と芸術も生まれた。国同士が接触すると戦争と貿易も興った。中世に入ると人は森林を開き村や牧場を開いた。だが、それは草食動物を餌とする肉食動物の住処を奪うことに等しかった。国を治める国王と兵士となる騎士に主従関係が生まれた。これを封建社会という。身分制度の確立も古代以上に厳しくなり、人種と文化の違いから差別も生まれた。近世に入ると人は新大陸を目指して大航海を果たした。新天地を見つけた白人は巨万の富と利益を得るがそこに住む先住民や現地人に対して取り返しのつかないことを幾度もなく繰り返していった。科学は緩やかに発達していったがキリスト教が支配する宗教観念の時代ではあらゆる科学の発見も一般の常識と成り得なかった。この時代の数多くの科学の発見は科学者の死後に評価される事が多かった。近代に入ると、ヨーロッパでは絶対王権制度に反発する民衆や政治家が革命によって国王を滅ぼす動きが高まっていった。労働に対しても反発が起きて、ここに自己啓発の精神が世界に根付く事となる。18世紀にイギリスが産業革命を起こしてエネルギーの大量消費社会を迎えると宗教文化が衰退して科学文明が飛躍的に発達して20世紀の悲惨な2度の世界戦争を引き起こすことになった。21世紀の現在も人類が地球環境や動物の生態に与える影響は凄まじい。1990年代に全人類の精神・道徳面が上がっているのでエコ活動や動植物の保護に努める動きが活発となり21世紀に入ると政府・企業もエネルギーを極力抑えた努力と生活向上に努めている。だが、人間が起こしてしまった地球・動植物への被害は凄まじくもう取り戻せないものも数多いのだ。


<分かり易い人類までの大雑把な進化経路>
・古細菌→真核細菌→真核生物(真核細胞)→動物細胞→微生物(ゾウリムシなど)→海綿(オタビア・アンティクア)→刺胞動物(クラゲやイソギンチャク)→プラナリアなどの半策動物→ウニ、ヒトデ→ホヤ→ナメクジウオ(ピカイア?)→脊索動物→ヌタウナギ→ヤツメウナギ→脊椎動物(ハイコウイクチス)→無顎類(アランダスピス)→軟骨魚類→硬骨魚類(ユーノステプロン)→肺魚→両生類(イクチオステガ)→有羊膜類(ウェストロティアーナ)→単弓類(哺乳類型爬虫類)→竜盤類(エダフォサウルス)→獣弓類(ディイクトドン)→キノドン属→哺乳類(アデロバシレウス)→有胎盤類(エオマイア)→真獣類(ガラゴ属)→ツパイ目→霊長目(ノタルタクス)→原猿類(キツネザル)→真猿類(チンパンジー)→真猿亜目(カトピテクス)→ヒト上科→ヒト科→トゥーマイ猿人→アウストラロピテクス→ホモ・エルガスター→ホモ・エレクトゥス→クロマニョン人・・・・・ホモ・サピエンス
本当は樹形図描きたかったけど、上手くいかんかった。まぁ、全生物の樹形図描くとなるとちょっと面倒だし技術要るんで外部の参考サイトを参照してください。高校生物とか履修してない人はネズミから猿までの進化ルートと猿から人までの進化ルート、原始生命から肉眼で確認出来る生命までの進化ルートについてよく分からんと思う。多分、高校生物を履修してる人もよく分からんと思う。まぁ、BBCや古生物をテーマにした番組でもスルーされがちだから分かり難いでしょうね。多分、化石の情報量が少な過ぎるのとミッシングリンクとなる生物が進化ルートに居てテレビ番組に収録するのが不味いんだろうと思う。そういえば、俺が子供の頃はディメトロドンが両生類の扱いで哺乳類の先祖だったなんていう学説は一般的じゃなかった。哺乳類型爬虫類という言葉もここ数十年になって初めて聞いた生物種名でした。俺が子供の頃は恐竜が尻尾を垂らさずに歩行するバランスタイプと鳥類が恐竜の子孫かもしれないという学説が一般的になっていた時代で古生代についての情報というのはまだまだ不足な箇所が多かった。キノドン属と呼ばれる哺乳類の直接の先祖がペルム紀の王者だったという話もBBCの「ウォーキングシリーズ」で一般化されたと思うので古生物学や地質学についての情報の更新はパソコン並に早いと思う。子供の頃聞かされていた古生物の常識が非常識になるケースもある訳ですからね。ちなみに最近読んだブルーバックスの本だと人間は海綿生物からクラゲ、プラナリア、節足動物の先祖を経て脊索動物になったという学説が古い学説として紹介されていた。生物は原始的な動物から徐々に発達段階を踏まえて進化していくものだと思われてたそうだがカンブリア爆発による生物の多様性は同時期に起こったと考えるのが自然なようで無脊椎動物やクラゲ、イソギンチャクは人類や哺乳類とは全く関係がないというのが最近の学説のようです。ただ、カラパイアなどの記事を読んでると海綿動物から全ての動物の門に進化した事は間違いないようで初期の多細胞動物で全ての動物の直接の先祖が海綿動物であることは間違いないらしい。ただ、海綿以降にプラナリアや軟体動物の先祖、脊椎動物の先祖、無脊椎動物の先祖、ウニ類の先祖等がカンブリア爆発時に同時に発生したという学説は定着している。クラゲやイソギンチャクの先祖はエディアカラ紀には既に居たそうなのでカンブリア爆発で発生したのはその刺胞動物と海綿動物を除く殆どの動物の門というところか。多分、バージェス動物群の全ての生き物はエディアカラ動物群の何かから進化したんだろうけど、捕食性を有するアノマロカリス等の生き物が登場した為に用途用途で進化せざるを得なくなったんだろうと思う。最初の生物の枝分かれしていく分岐進化と進化の樹形図はカンブリア爆発によって生まれたんだろうと思う。エディアカラ動物群は捕食性を有していなかったのか? というと、Wikipedia等を読むと植物は光合成でエネルギーを得て動物は土や泥に埋まった有機物を体内に取り込んでいたとある。ヨルギア等は地面を這って土や泥に埋まった有機物を体内に取り込んでいたらしい。ちなみに海綿とはなんぞや!? って思う人も居ると思うので一応簡単に説明するとスポンジのこと。スポンジははっきり言うと動物の死体(骨格)です。スポンジボブというアメリカの人気キャラクターが居ますがアレもモデルは生きている海綿動物です。まぁ、見た目は人間が作ったスポンジのまんまだけどな。まぁ、スポンジと言うと化学物質の加工品とか鉱物や繊維を加工した物だと思いがちですが実は動物の死体・・・・・それも骨を使ってる訳なんですよね。まぁ、誰でも知ってそうな事ですが知らないというか忘れた方が良さそうな事実ですね。人間は原始時代や寒冷地で動物の毛皮や骨を利用して武器や楽器を作りましたし現在も作ってますが身近にある日用品でそれも毎日洗浄に利用する道具が動物の死体だと考えると少し気持ちが悪い話かもしれません。それも脊椎動物と無脊椎動物、ウニやヒトデなど全ての生物の起源となった多細胞生物かもしれないと考えると今後のスポンジの使い方について少し哲学を考えてしまいそうですね。ちなみに現在では化学繊維から作られた人工的なスポンジも流通してるらしいです。海綿動物がクラゲやイソギンチャクに進化したのは間違いないでしょうが、そのクラゲやイソギンチャクが無脊椎動物や脊椎動物の先祖かどうかについてははっきり分かりません。古い学説だと分岐進化ではなく一方通行の直線道でクラゲやイソギンチャクに進化してプラナリアの先祖に進化してそこから分岐進化していくとかいう流れだったらしいけど、最近の学説だともっと早い時期から分岐進化してたようでプラナリアの先祖もウニの先祖も脊椎動物とはあんまり関係ないことになってる。まぁ、自分達の先祖が海綿動物から始まったというのはなんとなく納得するところがある。性器を見てたらまるで別の生き物に感じる。特に男性器の勃起した姿、浮かび上がる血管はまんま海綿動物っぽい。まぁ、性器は海綿体と呼ばれる柔らかい軟組織で構築されているから海綿動物が様々な動物の性器の部位として取り込まれたと考えれば海綿動物からの進化も受け入れられそうな気がする。ちなみに海綿動物は有性生殖と無性生殖が可能な両刀使いで卵生もあれば胎生も可能らしい。この頃から哺乳類と多細胞生物のルーツを持っていたとは・・・・・・・・恐ろしい動物だ。何より恐ろしいのは両方やれるというのが恐ろしいな。


<地球を支配してきた支配者たち>
・先カンブリア時代(陰生代)・・・・・・・・・・・・バクテリア→シアノバクテリア→真核生物→微生物→海綿動物、→刺胞動物(クラゲなど)→エディアカラ生物群
・カンブリア紀(古生代)・・・・・・・・・・・・・・・・バージェス動物群
・オルドビス紀・・・・・・・・・・・・・・・オウムガイや頭足類(無脊椎動物)
・シルル紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウミサソリ(節足動物)
・デボン紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・硬骨魚類(板皮類)
・石炭紀(陸上へ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昆虫と節足動物
・ペルム紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・両生類と単弓類(哺乳類型爬虫類)
・三畳紀(中生代)・・・・・・・・・・・・・爬虫類(ワニ類など)と両生類
・ジュラ紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恐竜と爬虫類
・白亜紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恐竜と爬虫類
・古第三紀(新生代)・・・・・・・・・・・・・恐鳥類と陸上性ワニ類→肉歯目(哺乳類)→メソニクス目
・新第三紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・食肉目と大型草食獣
・第四紀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・霊長類→原猿類→真猿類→類人猿→化石人類
・有史時代(古代・中世・近世・近代)・・・・・・・・・人類(ホモ・サピエンス)
・2045年以降(技術的特異点)・・・・・・・・・・・・・・・機械、人工知能?


<技術的特異点(シンギュラリティー)に至るまでの重要な歴史事項(約1万年前~2045年)>
・1万年前~紀元前6000年・・・・・・・・・新石器時代と呼ぶ。ホモ・サピエンスが出現した20万年前~1万年前は旧石器時代にあたる。農耕牧畜革命の始まり。縄文時代が始まる。
・紀元前5000年・・・・・・・・・古代エジプト文明とメソポタミア文明、インダス文明、黄河長江文明が始まる。文字の発明。文字の発明により記録が残った。
・紀元前2000年・・・・・・・・・・エーゲ文明とオルメカ文明の登場。中国では春秋戦国時代に突入。青銅器や鉄器が発明される。都市国家と法律、身分制度の誕生。哲学が興り、学問と教育が生まれる。車輪の発明。これによって戦争に兵器や武器が使用されるようになった。
・紀元前600年・・・・・・・・・・・スキタイ文明の登場。古代ギリシャでアレクサンドロス大王が東征に出かけるが、失敗する。古代ペルシャとマウリヤ朝が出来る。中国では秦の始皇帝が中国統一する。日本では弥生時代が始まり文明が興る。マヤ文明が出来る。
・紀元前200年・・・・・・・・・・・古代ローマ帝国の繁栄。エジプトが古代ローマの属国になる。アレクサンドロスの影響でヘレニズム文化が出来る。クシャーナ朝の設立。中国では漢という長期政権が誕生し、シルクロードを経由して古代ローマ帝国の貿易相手になる。
・紀元1年・・・・・・・・・・イエス・キリストの誕生。古代インドの釈迦の仏教と7世紀のマホメットのイスラム教とキリストのキリスト教を併せて世界3大宗教と呼ぶ。キリストの誕生によって紀元前が終わり、西暦が始まる。キリストの処刑は後世において神格化されてヨーロッパにおいては18世紀に及ぶまで教会が政治と経済と思想を支配する宗教世界へと変化していった。宗教は人間の苦悩や貧困、懺悔への救済策として利用され人類史においては近代社会に至るまで政治・思想・法律・芸術・科学・経済を弾圧したり牛耳ってきた。宗教によって救われた人も居るが、宗教によって殺された人の数の方が多いと言える。
・2世紀・・・・・・・・・105年に中国の蔡倫が紙を発明した。古代エジプトでは既にパピルス(羊皮紙)があったが、材料が木や植物である紙はこれが初である。

 

・3世紀・・・・・・・・・・サーサーン朝、グプタ朝の形成。東南アジアにチャンパーという国も誕生する。中国では三国時代が始まる。かの有名な「三国志」である。日本では邪馬台国で卑弥呼という最初の偉人が生まれる。日本に稲作農業が普及する。その後、古墳時代に突入する。アンデス地方でナスカ文化が発生する。古代ローマ帝国では軍人皇帝時代になるが、ワインの飲み過ぎとそれに伴う亜鉛障害で国民も貴族も弱体化していく一方だった。キリスト教の国教化もこの頃に始まる。
・5世紀・・・・・・・・・ゲルマン民族の大移動で古代ローマ帝国が分裂する。アフリカでヴァンダル王国が始まる。アメリカはテオティワカンとモチェ文化の全盛を極める。古代中国では南北朝時代に突入する。東南アジアではクタイ王国などが始まる。アジアではグプタ朝とエフタルが栄華を極めた。
・7世紀・・・・・・・・・・アングロサクソン七王国が成り立つ。現在のイギリス・ドイツ・フランス・オランダ・スペイン・ポルトガル・ベルギーなどの国々の事だ。メロヴィング朝フランク王国や西ゴート王国、ランゴバルト王国などが成立する。ササン朝が滅亡してイスラム帝国が出来上がる。中国では隋と唐の時代になる。日本では大和王朝が成立して飛鳥時代と奈良時代に突入する。日本でも仏教の導入や文化の保護や天皇の政治時代が始まる。北アフリカはイスラム帝国に征服されてイスラム教が浸透するようになる。東南アジアではシュリーヴィジャヤ王国が成立する。南アジアではヴァルダナ朝などの強力な王国が誕生する。

 

・8世紀・・・・・・・・・・カロリング朝が成立し、カール大帝が即位する。教皇領が成立し、東ローマ帝国とアッバース朝が領有権を巡って対立する。南アジアではプラティハーラ朝などが成立した。アフリカではガーナ王国が繁栄するが、イスラムの勢力圏だった。西アジアではアッバース朝が成立する。この頃にイスラム帝国と唐が戦争を始める。タラス湖畔の戦いと言われる。戦争後の影響で印刷技術と羅針盤と火薬が生まれ、ヨーロッパにも伝わるようになったと言われている。
・10世紀・・・・・・・・・・神聖ローマ帝国の出現。アッバース朝は分裂。唐は遊牧民族との対立で滅亡し、五代十国時代に入る。日本では平安時代を迎える。約200年続いたこの時代は天皇制の政治から藤原氏などの有力貴族による政治へと変化していった。北アフリカではファーティマ朝が成立する。

 

・11世紀・・・・・・・・・・古代が終わり中世時代に突入する。世界史ではゲルマン民族の侵入時点で古代が終わる。身分制度が緩やかだった古代に比べて中世は厳格な封建制度が建てられた。異民族や異宗教との交流で人類間の中にストレスが溜まり、その結果に人種差別や貧困、迫害や残虐行為も増加していった。ヨーロッパの間では暗黒時代とされる場合が多い。ヨーロッパでは東西教会が分裂し、相互破門になった。十字軍とドイツ騎士軍の植民行為も始まった。アジアではセルジューク朝やガズナ朝が成立する。東南アジアではベトナムの李朝が建国。中国では北宋が建国。王安石の改革により西夏が建国される。アフリカではモロッコのムラービト朝が優勢になり、ガーナ王国が滅亡した。日本では藤原氏政権の衰退が始まり、上皇の院政が始まった。荘園の公領制も成立した。
・12世紀・・・・・・・・・・ヨーロッパでは十字軍とドイツ騎士団の植民が続く。中国では華北で金、宋の南渡が起こった。日本では院政から平氏の政治支配が起こり、源氏によって平氏が滅ぼされた。その後鎌倉幕府が始まり、700年近く武士の政治支配が続いた。アフリカではサラディンのアイユーブ朝が建国された。東南アジアではクメール王朝が繁栄。
・13世紀・・・・・・・・・・神聖ローマ帝国の大空位時代が始まる。東部ではモンゴル帝国の侵入が起こる。モンゴル帝国の支配が始まり、宋が滅んで元が起こった。モンゴル帝国はヨーロッパとイスラームとアジアの主要な王朝の領域を征服したり滅亡させたが、日本の元寇では征服出来なかった。鎌倉幕府は外国との戦争での恩賞が払えずに徳政令を発令したが、信用回復には至らず、鎌倉武士の御家人による討幕運動に繋がる事になった。
・14世紀・・・・・・・・・黒死病、百年戦争、ハンザ同盟がヨーロッパで始まる。教皇権の力も揺らぎ、ヨーロッパで魔女狩りやペストによる猫の迫害運動などが拡大するようになった。日本では鎌倉幕府が滅ぼされ、天皇による建武の新政が発令されたが、失敗して室町幕府が成立した。しかし、南北朝時代を日本でも迎える事になった。中国では元が滅んで明が誕生。朝鮮でも高麗が倒れて李氏朝鮮が成立した。中央アメリカにアステカ王国が成立した。アフリカでは西アフリカにマリ王国が出来る。モンゴル帝国は滅んだが、中東地域でオスマン帝国が興る。これによってヨーロッパが再び危機を迎える事になった。
・15世紀・・・・・・・・・東ローマ帝国が滅亡。ヨーロッパで大航海時代を迎える。イタリアではルネサンスが興り、スポンサー(株主)制度が誕生する。日本では足利義満が南北朝を統一するが、応仁の乱が発生してしまい、戦国時代に突入する。中国では明の安定政権が続く。鉄砲と活版印刷が発明される。コロンブスが新大陸を発見。

 

・16世紀・・・・・・・・近世に突入する。中世世界では富裕層が権力者や王、貴族に限定されていたが、貿易ネットワークの開通と新天地が発見されるようになると、商人が富裕層や権力者に成れる現象も見られた。ヨーロッパでは芸術家や職人等の職業が栄華を極め、現在の労働の基盤を作り上げていった。日本では戦国時代は豊臣秀吉の天下統一で終わりを迎え、徳川家康の江戸幕府の政権下にある江戸時代へ突入していった。中国との明貿易は徳川時代に復活した。ヨーロッパではルターの免罪符配布などで宗教改革が行われ、キリスト教が分派するようになった。オスマン帝国の第一次ウィーン包囲などヨーロッパは中東の有力王朝の危機に晒される事態であった。オスマン帝国はアフリカのソンガイ帝国などを滅ぼして、アフリカ全域をイスラーム圏とした。アメリカではスペイン人によってアステカ帝国とインカ帝国が滅亡させられた。南アジアではムガル帝国が成立した。科学面ではコペルニクスが地動説を発表した。ガリレオが振り子の周期性を発見。
・17世紀・・・・・・・・・・オランダが独立する。科学革命とバロックが人類の生活に多大な影響を与えた。三十年戦争が始まる。日本では徳川幕府が成立し、300年近い江戸時代を迎える。アメリカではヨーロッパからの移民が活発になった。中国では清が成立した。東南アジアではオランダがマラッカを支配して、オランダ領東インド会社が設立した。トリチェリが真空と大気圧を実験によって証明する。レーベンフックが微生物を発見する。ニュートンが力学と重力の概念を発表する。
・18世紀・・・・・・・・・・・絶対王政制度がヨーロッパで始まる。農業革命と産業革命、フランス革命、大北方戦争、ロシア帝国の勃興、イギリス帝国の時代へヨーロッパの歴史は流れていった。サファヴィー朝が滅亡したことでオスマン帝国が弱体化していく。アメリカではイギリスとの独立戦争に勝利して合衆国が建国された。オランダ領の東インドが東南アジアで滅亡する。日本では鎖国と元禄文化を通じて、享保の改革、田沼意次、寛政の改革が起こった。科学面ではワットが蒸気機関を発明した。これによって動物から機械仕掛けの乗り物が生活の主流となる。アークライトが紡績機を発明。これによって機械の自動化(オートメーション化)が始まり労働者の職不足が発生する。モンゴルフィエ兄弟は熱気球を発明して空の世界へ挑戦した。アペールが缶詰を発明。ボルタが電池を発明。マードックがガス灯を発明。ハーシェルが赤外線を発見。

 

・19世紀・・・・・・・・・・人類史は近代を迎える。産業革命による工業化と科学と医療技術の融合は人類の生活を飛躍的に発展させて豊かにさせて便利になったが、同時に大量殺戮兵器の発明と帝国列強による植民地支配も強固な物にしていった。その結果が二度に渡る大戦争に繋がった。ヨーロッパではナポレオン戦争、ウィーン体制、普仏戦争、イタリア王国とドイツ帝国の成立へと歴史が流れていった。アフリカの分割が始まる。ロシアが中央アジアに進出してアフガン戦争が勃発。インドではイギリスの植民地化が始まる。清朝がイギリスやヨーロッパの外国勢力の影響を受けて滅亡する。アメリカでは南北戦争が始まる。中央アメリカと南米では中南米諸国が独立する。日本では天保の改革を経て、鎖国が崩壊。尊王攘夷運動で討幕が実現化すると、明治維新を経て、日清戦争へと突き進んでいった。発明品は電話・電気・ラジオ・乗り物が発明されていった。科学面ではスティーブンソンが蒸気機関車を発明。ファラデーが発電機を発明。電気の世界への挑戦が始まる。スコットが蓄音機を発明。ルノアールが内燃機関と自動車を発明。ハイアットがセルロイドを発明。ベルが電話を発明。エジソンが電灯を発明。北里柴三郎が破裂傷とジフテリアの血清治療を確立。レントゲンがX線を発見。マルコーニがラジオアンテナを発明。トムソンが電子を発見。ディーゼルがディーゼルエンジンを発明。ライト兄弟が動力飛行機のテストに成功する。
・20世紀・・・・・・・・・・第一次世界大戦と第二次世界大戦を迎える。アメリカでは世界恐慌を起こすが、ニューディール政策でクリアする。ヨーロッパではロシア革命が起こる。中東ではパレスチナ問題が発生。アフリカと東南アジアではヨーロッパの植民地支配が続く。東アジアでは韓国併合、辛亥革命、満州国の成立、日中戦争と太平洋戦争が起こった。日本では日露戦争、韓国併合、大正デモクラシーが起こった。発明品はテレビや電子レンジ、ストーブやクーラー、洗濯機や冷蔵庫、掃除機などである。科学面ではJ.フレミングが真空管を発明する。アインシュタインが相対性特殊理論を発表。鈴木梅太郎がビタミンを発見。オンネスが超伝導を発見。アムンゼンが南極点に初到達する。ゴダードが液体燃料ロケットを発明。ワトソンワットがレーダーを発明。ズウォーリキンがテレビカメラを発明。モークリーとエッカートがデジタルコンピューターを発明。ショックレー、ブラッタン、バーデンがトランジスタを発明。

 

・戦後の世界・・・・・・・・歴史の教科書では1945年までを歴史の授業として取り扱う事が多い。なので、このブログでは1945年以降の歴史を現代として取り扱う事にする。現代世界では白人や帝国列強の支配から独立する国家や民族が次々と現れた。二度に渡る世界大戦と帝国列強の時代は第三世界を生み出し、人々の心の中に道徳精神と人権倫理と人命の尊さを諭す教育と支援団体を生み出す原動力に繋がっていった。テクノロジーの進歩はますます加速度的に上がり、人類が過重労働をする必要が無い領域にまで達した。国際連盟は発展途上国や経済水準の低い国も取り入れた国際連合へと成長した。冷戦と代理戦争と南北問題と石油危機は1990年代にはある程度解決するにまで至った。19世紀に登場した乗り物はジャンボジェット機や宇宙ロケットに発展してグローバリゼーションへ突入するに至った。娯楽分野に至っては貴族や権力者の趣味に留まらず、大衆にも広く親しまれるようになった。ポップミュージックやゲーム、映画、漫画、テレビ、雑誌類、アニメ、スポーツなどは1960年代~1990年代に至るまで幅広い年代と民族に親しまれていった。日本ではGHQによる占領を通して55年体制が敷かれた。高度経済成長とバブル景気で一億総中流時代とも呼ばれていたが、1990年代以降は不景気に陥りリストラといじめと自殺に苦しむ学生と社会人で溢れた。連立政権の常態化も政治の腐敗を招く結果に成った。科学方面ではワトソンとクリックがDNAの二重らせんを解明。江崎玲於奈がトンネルダイオードを発明。安藤百福が発明した即席麺(インスタントラーメン)を発売した。ガガーリンがボストーク一号で人類初の有人宇宙飛行に成功。ガーデンがクローン実験に成功する。アポロ11号が月面着陸に成功する。コーエンとボイヤーが遺伝子組み換え技術に成功する。ステップトゥとエドワーズにより試験官ベビーが誕生する。スペースシャトルが初飛行に成功する。ミュラーとベドノルツが高温超電導を発見する。クローン羊の誕生が成功する。

 

・21世紀(2001年~2045年)・・・・・・・・1950年代に発明されたコンピュータがインターネットを搭載してパーソナルコンピューターへと進化していった。2000年代には携帯電話も一般普及した。グローバリゼーションにより発展途上国は先進国化していったが、2008年のリーマンショックを機に先進国が貧困化する。1990年代に登場した携帯電話とパソコンはビジネスの場にも普及するようになり、携帯電話はスマートフォンへ、パソコンはAppleやMicrosoftの販売戦略でタブレットパソコンやデスクトップからノートパソコンへ派生・改良されていった。2000年代にはインターネットとビジネスが融合したIT革命が起こり、一部のIT経営者などは成金となったが、多くの労働者はパソコンと携帯電話の普及で過重労働と雇用不足、ブラック企業といった新たな社会問題に苦しめられた。その社会問題の副産物としてニートやフリーターのような非正規労働者や非労働者も誕生する事となった。実際は小泉純一郎と竹中平蔵による構造改革の雇用破壊が原因である。日本では1990年代から続いていた自殺やリストラ・いじめ問題はより深刻化していき、ニートやフリーターのような問題も同時に孕むようになった。政治の腐敗化と終身雇用制と年功序列の崩壊が発生し、就職する事が難化して少子高齢化による社会保障費の増大も問題視されるようになった。若い世代ほど不景気を理由に賃金が上昇しない上に出世も見込めないので、働いてる人の中でも結婚離れが進み、日本では人口減少が社会問題になっている。リーマンショックから約8年の月日が経過しているが、パソコンの高性能化と機械のオートメーション化が文系士業と工場労働の雇用機会を破壊した為、理数系の大卒以外は就職出来ない事態が先進国全体で拡大しつつある。

 


 

>技術の歴史
・250万年前・・・・・・・・・石器の発明。
・160万年前・・・・・・・・・石斧の発明。
・150万年前・・・・・・・・・点火技術。
・約10万年前・・・・・・・・・衣服の発明。
・約3万年前・・・・・・・・・言葉によるコミュニケーション、ラスコー洞窟(芸術文化の始まり)。
・約2万5000年前・・・・・・・セラミックス。
・約1万5000年前・・・・・・・動物の家畜化。
・紀元前9000年・・・・・・・弓と矢、投石器、細石器の発明。(人類最初の戦争か?)
・紀元前8000年・・・・・・・銅。農業とプラウ。農耕牧畜革命の始まり。
・紀元前4000年・・・・・・・車輪の発明。
・紀元前3500年・・・・・・・文字の発明。
・紀元前3300年・・・・・・・青銅。
・紀元前2000年・・・・・・・チャリオット(戦闘用馬車)。古代エジプトなどでよく用いられた。
・紀元前1500年・・・・・・・・鉄。
・紀元前800年・・・・・・・日時計。時間の概念の誕生。
・紀元前500年・・・・・・・・ガラス。ガラスは固体ではなく液体である。
・紀元前400年・・・・・・・・・カタパルトの発明。
・紀元前300年・・・・・・・・・蹄鉄技術。
・紀元1年・・・・・・・・・・鐙。
・古代エジプト文明・・・・・・・斜面を利用した建設技術(ピラミッドなど)。
・インダス文明・・・・・・・・・・都市計画。衛生の概念。
・古代中国文明・・・・・・・・・・地震計、マッチ、紙、鋳鉄、吊り橋、天然ガス燃料、方位磁針、プロペラ、火薬、落下傘など。
・古代ギリシャ・・・・・・・・・・哲学や数学、アレキサンドリア図書館。水車。アイオロスの球。ウォームギア、ポンプなど。
・古代ローマ・・・・・・・・・・・農耕法、石工技術を改良する道路技術、コンクリートやアスファルトなど。ローマ水道、ため池、公衆浴場など。
・インカやマヤ文明・・・・・・・水耕栽培や天文学、石の彫像など。

 

・中世ヨーロッパ・・・・・・・・・・・機械式時計、眼鏡、垂直型の風車、乾式コンパス、アストロラーベ、カノン砲、ゴシック建築、印刷機、遠近法、特許法、2層構造のドーム、クロノメーター、大航海時代のヨーロッパによる植民化など。
・中世イスラーム・・・・・・・・・・・農業革命、水車場、クランクシャフト、水力発電用タービン、コーヒー、堅い石鹸、シャンプー、硝酸、バルブ、ロケット、万年筆、暗号解読法、現代的な小切手、焼夷弾など。

 

・近世・・・・・・・・・産業革命を経て、テクノロジーと科学は爆発的な発展と飛躍を遂げた。織物製造業と鉱業、金属工学、蒸気機関による交通の利便性は人類の生活を革新させていった。馬や牛といった動物に頼る交通や農業から機械による乗り物の普及が当たり前になったのだ。産業革命と同時に身分制度の改変と封建社会の撤廃も進行していった。
・近代・・・・・・・・・19世紀に入ると、蒸気船と鉄道が実用化された。電信技術も鉄道の安全な運行を助けた。電球も実用化された。これにより、火を使った照明器具から電気を利用した照明器具の普及が増えて、夜の時間が長期化された。つまり、労働時間も長期化していった。

 

・現代・・・・・・・・20世紀にはありとあらゆるテクノロジーが二度の世界大戦を経て著しく進歩した。戦争がテクノロジーと科学の進化を著しく早めたとも言える。アレクサンドロスの東征はヘレニズム文化を生み出し、遠い日本の建築技術にも影響を与えて法隆寺が作られた。タラス湖畔の戦いでは中国と中東とヨーロッパの科学技術が共有化された。大航海時代にはアメリカ大陸の農作物と動植物の原料、鉱物資源がヨーロッパにもたらされて多大な資源を豊富に得る事が出来た。そして、フランス革命やナポレオンの侵略戦争を経て産業革命が起こった。2度の世界大戦は人々に重々しい傷を深く刻み付けたが、それは人権道徳や科学技術、政治や法律や労働法などのありとあらゆる分野の進化を遂げる為の原動力ではあった。20世紀には電化、自動車、航空機、水道技術、電子工学、テレビとラジオ、農業の機械化、コンピュータ、電話、空気調和と冷凍、高速道路、宇宙船、インターネット、画像処理、家庭用品、医療化学、石油科学技術、レーザーと光ファイバー、原子核工学、物質科学が発明された。それらは一般家庭と企業と行政機関に多大なる恩恵と効率性をもたらした。科学技術の発展を遂げて、娯楽やエンターテイメントの業界も大衆文化と企業ビジネスが浸透するようになった。個人の芸術家だけが活躍していた芸術や文化活動は企業や一般人も参画できる機会と創作活動に拡大していった。その結果に漫画やアニメ、ゲーム、映画、小説、スポーツ、ポップミュージック、ドラマなどのエンターテイメント産業が始まる事になるのである。ナチスドイツによってユダヤ人が迫害されていたが、彼等が中世期から得意としてきた金融工学はアメリカやヨーロッパの先進国の経済中心の支配構造に置き換わり、バブル期の日本でも金融商品や銀行が利率で大儲けする時代があった。ユダヤ人は迫害から解放されたが、中東のパレスチナ問題に火を着けて、再び中東が戦火の嵐の中心として活発化していたのであった。

 

・21世紀の世界・・・・・・・・IT革命。1990年代から普及した携帯電話はスマートフォンへと進化し、パーソナルコンピューターはデスクトップ型からノート型やタブレット型へ派生していった。そのようなデジタルデバイスをマルチメディアプレーヤーと呼ぶ。マルチメディアプレーヤーはゲーム機や音楽のデジタルオーディオプレーヤーにもその属性を持たせる経緯に至った。しかし、工業製品や技術が向上しても製品の売価は前時代の工業製品とほぼ同価格の為、企業と労働者に対しては成果に至るまでの労働基準が厳しくなったと言える。消費者側はより豊かで便利な生活を手にすることは出来たが、消費者の多くも労働者であるので、消費側の立場で一方的に得をするのは経営者や政治家、公務員や年金を受給している老人に限定された。テクノロジーの進歩は勢いを留めず、電子工学やバイオテクノロジーの領域で急速な進歩を遂げている。発展途上段階ではあるが、生物工学ではクローン技術や遺伝子組み換え、試験管ベビーなどの倫理問題が議論の的になっている。電子工学分野ではスーパーコンピューターの計算処理速度は人間の処理速度を既に突破している。量子コンピューターやナノテクノロジーに至っては実用段階に達していない。

 

・2045年までの世界・・・・・・・・未来の話である。2045年には人工知能が技術的特異点を突破して人類の知能を人工知能が越える予測がされている。その結果、ありとあらゆる発明や発見、創作の成果の達成者は人類ではなく、人工知能になると予測されている。2030年代にはNASAが火星での有人探査を計画している。現在進行形だとロボット技術と3Dプリンタが労働力の代替品として利用される計画がされている。不人気職の労働力不足の穴埋めは日本に関しては移民の計画が予定されている。家庭とビジネスの場で実用段階に至りそうなテクノロジーは量子コンピューターや並列コンピューティング、ナノテクノロジー、ロボット工学、再生医学、化学療法、物質科学(バイオプラスチックの生分解材料の開発とレアメタル代替技術の代替材料開発)、超電導、メモリスタ、スピントロニクス、代替燃料(燃料電池や電気自動車)、スマートグリッド、半導体の低消費電力技術、ディスプレイ技術(有機EL)、発光ダイオードや太陽電池の効率向上、原子核融合などである。本格的な研究が進行していないのはタイムトラベル技術やブラックホールの生成・誕生経緯の研究、不老不死、2011年にストップした宇宙開発研究などである。労働方面については全世界規模で先進国の退化と発展途上国の進歩が逆転しつつある。先進国の労働については文系大卒がスーツを着たり工場で働く労働が不可能になりつつある。逆に需要が高いのは軍事産業と接客業や営業であるが、不人気職種なので、職業を妥協出来ない若者の多くはニートやフリーター化しつつある。ネット上では彼等に本音やストレスをぶつける過重労働の労働者も多く居るが、近い将来にはロボットや3Dプリンタが加工工程や設計工程の職種にも進行し始めるので、理系大卒の労働者の多くも自分の希望職には就けない時代に入ると思われる。産業革命によって多くの職人が解雇されて、IT革命では文系士業とオフィスワークの雇用構造が破壊された。2030年頃にはロボットと3Dプリンタによるビジネスと家庭普及も現実化してると思われるので、今度は技術と製造・研究開発が必要な職業が淘汰されると思われる。そして、最終的には技術的特異点に到達した人工知能が接客職種と創作業界の仕事の雇用構造を破壊することになるだろう。

 


 

>大量絶滅と戦争の関係
生物の進化速度と技術革新のスピードは指数関数的にだんだん早く成っていく事がカール氏の著書で指摘されている。しかし、生物の進化の場合は大量絶滅と環境変化、技術革新の場合は主に平時よりも戦争時の方が原動力として働き易い事については指摘されていない。
進化や技術革新は自然にゆっくりの速度で進歩していく訳じゃなくて、実際にはあるきっかけによって強制的に変化せざるを得ない場合が多かったりする。
生物の進化の場合を見てみよう。人類進化までの道のりを辿っていくと、アミノ酸などの化学物質でしかなかった生物は原始地球の雷の落下による化学反応で融合して生物の核になったとされている。これが40億年前の出来事である。その後に隕石の天体衝突などで地球上はガス爆発と摩擦力によって海全体が灼熱の溶岩とマグマの海に覆われた。この時には生物は地下1万メートルまで逃げ延びて微生物へ強制的に進化せざるを得なかった。
約35億年前にはストロマトライトが現れるようになる。植物の登場である。当時の地球はマグマの海が冷えて固まり、氷河が出来る極寒の海に変化していたので、微生物は極寒の海でも生活出来るように気温変化を促すしかなかった。その結果に光合成をして酸素を生み出して地球の気温を上昇させるという手段を取った。しかし、藻類のように酸素環境の中で生きられる微生物は殆ど居なかったのでストロマトライトの環境で絶滅していく微生物も多かった。
約8億年前には氷河が地球全体を覆う極寒の時代に突入する。これをスノーボールアースと呼ぶ。8億年~6億年続いたこの氷河時代はストロマトライトの発生する酸素活動だけでは氷河が溶けなかった。氷河が溶けるきっかけになったのはメタン菌と二酸化炭素の化学反応から起こる燃焼だった。酸素を吸収して二酸化炭素を発生させる動物が誕生する事になる。約7億年前には世界最古の多細胞動物が出現する。そして、約6億年前には肉眼でも確認出来る軟物質で構成された多細胞生物が出現するようになった。
約5億年前には生物の数を減らす事で自然環境のバランスを図る動物も出現した。カンブリア爆発によって原口を手に入れて強力な捕食活動が可能になった動物たちは植物やエディアカラ動物群などの動物から地球の支配権を握る事にした。魚類も節足動物の出現と共に誕生した。
約4億年前になると、オルドビス紀とカンブリア紀の大量絶滅を迎える。強力な捕食者達が姿を消すと、次のシルル紀で植物は陸上進出し、魚類は大型に進化していき捕食者のニッチを穴埋めしていった。
約3億年前にはデボン紀の大量絶滅と石炭紀を迎える。デボン紀は魚類の時代と呼ばれるほど捕食者も被捕食者も魚類だった。デボン紀の無酸素海洋事変で捕食側だった魚類は死に絶え、現在の魚類の先祖が酸素と餌を求めて大陸の淡水地域へ進出した。この時には魚類は肺と手足を獲得して両生類へ進化して上陸を果たした。陸上には脱皮制限と脱皮によって大きくなる限度がある節足動物と昆虫が既に居たが、脊椎動物よりは小さかった。節足動物と昆虫は魚類にとっては今までは天敵だったが、陸上関係では脊椎動物の方が捕食側だった。
約2億年前にはペルム紀の大量絶滅を経験している。ペルム紀は単弓類の時代とも呼ばれる。陸上進出した両生類は陸上の環境に合わせて固い殻を持つ卵を産むようになった。有羊膜類の登場である。この有羊膜類から3種類の爬虫類に分岐進化した。進化が多様的な理由は少しでも大量絶滅や環境の変化で生き残れる種を残す為である。単弓類と無弓類と双弓類である。単弓類は哺乳類の直接の先祖と言われており、この時点で体臭や汗腺、歯や骨などに哺乳類的特徴があったと言われている。ペルム紀の大量絶滅であるスーパープルームと呼ばれる火山噴火と地殻変動は地球を低酸素環境に導き、多くの大型単弓類を絶滅に追い込んでいった。
約1億年前に入ると三畳紀の大量絶滅を経験してジュラ紀に入っている。三畳紀の大量絶滅は不安定だった火山活動の活発化が原因とされている。この時に双弓類から進化した大型爬虫類と大型両生類、ワニ類などが絶滅に追い込まれている。絶滅を生き延びた双弓類から進化した恐竜は肉食恐竜から草食恐竜に分岐進化して草食動物のニッチを埋めた。単弓類は横隔膜を手に入れて低酸素環境を生き延びて、キノドン属に進化して、最終的には胎生能力を手に入れた有胎盤類まで進化して哺乳類となった。哺乳類が頬袋を手に入れたのもこの頃だった。食べ物を親が咀嚼ですり潰して頬の中で離乳食にすることで子育てをする習慣を手に入れた。動物が子育てするのは哺乳類と鳥類と恐竜だけだと言われている。恐竜と鳥類は一度胃袋の中で餌を消化した後に吐き戻して子供に餌を与える習慣になった。
約6500万年前に入ると、白亜紀の大量絶滅で恐竜と翼竜と海洋爬虫類とアンモナイトと大型爬虫類が絶滅した。原因はユカタン半島に落下した隕石衝突だとされている。原爆の約40倍の威力がある衝突エネルギーは「核の冬」を招き、太陽光が防がれ毎日雪が降って氷河が積み重なる極寒の時代へ突入していく。恐竜の一部は既に鳥類に進化していたが、歯のある鳥類も絶滅していった。哺乳類はネズミ程度(カルポレステスなど)の生き物だけは生き残ったが、犬や猫程度の大きさの哺乳類と猿のような哺乳類は絶滅している。この時点で猿のような生き物は既に存在したが、隕石衝突の落下は体長数㎝程度に満たない動植物全てを絶滅に追い込んだ。

 

約5000万年前になると、新生代の古第三紀に突入した。この時の地球の支配者は鳥類から進化した恐鳥類と陸上性に二足歩行出来るワニ類であったが、他大陸と閉鎖環境にあったアジア大陸で独自の進化と多様性を手に入れた哺乳類が肉食性のある哺乳類を誕生させる事になる。肉歯目は小型動物だったが、群れで狩りをする習性があったので、生存競争の過程の中で陸上のワニ類と恐鳥類から肉食動物のニッチを奪って絶滅に追い込んだ。しかし、肉歯目自身も後から現れた肉食性哺乳類のメソニクス目と食肉目との生存競争に敗北して絶滅している。メソニクス目は後にクジラやカバの偶蹄類となり、食肉目はアザラシやクマ、犬や猫などの肉食動物に進化していった。人間の先祖である動物はこの時点ではツパイ目のような動物に進化している。ツパイとは耳が小型化して全身がスリムになったネズミのような動物の事である。彼等は肉食動物の被捕食者になるのを避けて樹上で生活することを選んだ。
約3000万年前になると、新生代の新第三紀時代に突入した。この時にはツパイ目とは分岐進化して霊長類が誕生している。最も霊長類は恐竜の絶滅時点では既に存在したらしいが、恐竜の絶滅や生存競争の敗北によって何度か絶滅している。この頃の人類の先祖はキツネザルのような動物からメガネザルのような原猿類に進化している。哺乳類の色覚は元々2タイプの識別認識しか持っていなかった。哺乳類以外の動物は4タイプの色覚を持っている。哺乳類の色覚タイプ数が減少したのは長期に渡る夜行性活動で色覚が退化した為と言われている。しかし、この頃の猿になると、ビタミンCを大量に含んだ果実を識別する為に3タイプの色覚認識にまで回復させる事に成功している。ちなみに被子植物が登場したのは白亜紀後期である。毒を持ったり虫を捕食する植物、花の香りを出す植物が現れ出したのも被子植物が登場してからと言われている。恐竜は被子植物よりもシダやマツなどの裸子植物を好んでいて、被子植物を捕食する動物は昆虫類や哺乳類、鳥類にしか限られなかった。人類の先祖が色覚を取り戻さなければならなかった原因は約4000万年前に南極大陸の形成とヒマラヤ山脈の形成があった為とも言われている。寒冷化した気候は地球全体に広がり、アフリカ大陸では大洪水が発生したと言われている。これによってサル目は狭鼻下目(旧世界サル)と広鼻下目(新世界サル)の2種類に分岐進化せざるを得なかったという。餌不足の事情もあって、危険な可能性がある果実や葉っぱを食べなければならなかった事情もあるかもしれない。

 

約2800万年前には狭鼻下目のヒト上科がオナガザル上科から分岐し、尿酸を分解する尿酸オキシダーゼ活性が消失した。尿酸がビタミンCの抗酸化物質の代用となったからである。尿酸が溜まると、痛風の原因になるとされている。この頃の地球気候は山脈の形成などで不安定化していたが、後に安定化に入った。勢力を保っていた肉歯目が食肉目との生存競争に敗北して絶滅している。肉食動物の世代交代が行われる中で、草食哺乳類の中には全長6メートルを越えるインドリコテリウムという大型動物も出現した。漸新世の時代を生き延びる事が出来ずにインドリコテリウムなどの大型草食哺乳類が絶滅している。この時代には大型哺乳類の大量絶滅がしばしば見受けられるが原因はよく分かっていない。この頃の人類の先祖はニホンサルのような動物からテナガサルのような手と足が発達した猿に進化している。
約2000万年前にはヒト科とテナガザル科が分岐した。ヒト科はゴリラやチンパンジー、オランウータンなどの猿を指す。尻尾がなく、顔や表情が複雑化した猿を「真猿類」と呼ぶ。尻尾がなくなったので、樹上生活を止めて陸上に降り立ってキノコなどの菌類やモグラなどの小動物、昆虫類などを捕食していた可能性が高いと思われる。当時の地球環境では温暖だったが、寒冷化が進行して南極大陸には氷床が発達して拡大していた。これが原因となって、後の地球は氷河期を迎える。肉歯目などの肉食哺乳類が絶滅し、アンドリューサルクスなどのメソニクス目の大型哺乳類も草食性の大型哺乳類が絶滅した事で連鎖的に絶滅していった。現代に近い動物相が出揃った事もあるが、当時の地球に体長3メートルを越える大型肉食性動物が絶滅した事が人類の進化が早まった原因の一つとも思える。陸上には恐らくサーベルタイガーなどの動物はまだ居なかったと思われる。
約1300万年前にはヒト亜科とオランウータン亜科が分岐進化した。オランウータンが独立した種となり、ゴリラとチンパンジーの種族から分かれた。
約1000万年前にはアフリカでグレートリフトバレーが形成される。大地溝帯の谷が出来ると、そこに森林が成り立ちチンパンジーやゴリラにとっては生息し易い楽園の環境が築かれていた。
約600万年前に入ると、トゥーマイ猿人が出現する。猿人とされているが、ヒトとチンパンジーが分岐する前の物だとされている。この頃にはヒト族とゴリラ族が分岐している。琵琶湖も形成された。
約487万年前になると、チンパンジー亜族とヒト亜族が分岐し始めている。この頃には直立二足歩行が出来て、猿人も一般的になっている。進化とは突然変異から生じる物と唱える者も居るが、環境の変化と大量絶滅で進化を促されるケースも多い。この時期には南極からの寒冷な気候がアフリカ大陸の砂漠化を加速化させて、サバンナとなる地域も増加している。人間が直立二足歩行せざるを得なかったのは住んでいた森林が砂漠化したという説がある。
約400万年前になると、アウストラロピテクス(猿人)が出現した。この時の脳容量は400?とチンパンジーと大差はない。上半身は人間そのものだが、下半身はチンパンジーのままで、身長が140cm程度だった。しかし、石や木などを道具に使う知恵はあったとされる。
約300万年前に入ると、ホモ・ハビリス(原人)が出現した。この原人を軸にして2種類の原人が分岐進化していく。脳容量は約500?だった。サバンナ地域にはスミロドンなどの大型の肉食動物が生息していたが、石や木を武器にして戦う事しか出来なかった。
約250万年前になると、ホモ・エルガトゥスとパラントロプス・ロブストスが出現した。ホモ原人は石器を使う知恵と肉食文化があった。その為、脳容量はタンパク質の摂取で900?まで増加したと言われている。肉食動物の食べ残しなどから栄養を補っていたとされている。いわゆるスカベンジャー(腐食者)である。パラントロプスは草食性だったが、土深くに生えている木の根っこだけでは栄養が足りずに餌不足とホモ原人の食糧になって絶滅した。
約23万年前にはネアンデルタール人が出現した。彼等の脳容量は1800?程度だったが、声帯が無かった為絶滅したと考えられている。埋葬文化と食人風習と儀式的な信仰があったとされている。石器の加工技術も持っていた。
約20万年前にホモ・サピエンスが出現した。脳容量は1400?だった。声帯を所有していたので、言葉によるコミュニケーションが可能だったと思われる。絵画や彫刻、天体観測などの文化や芸術も既に持っていたと考えられる。
約12万年前には火を使用する着火技術を習得した。それまでの人類に火を人工的に作る技術はなかった。
約10万年前に人類(ホモ・サピエンス)がアフリカを出て、広範囲に渡って移動を開始した。
約7万年前にはトバ事変で人類の人口数が1万人まで減少する。寒冷化を防ぐ為に衣服を着用するようになったと言われてる。ネアンデルタール人とホモ・サピエンス以外の人類は全て絶滅した。この時に猿人と原人が全種類絶滅している。ネアンデルタール人自身も約3万年前には絶滅した。
約3万年前には洞窟壁画が描かれるようになった。貝殻や動物の骨に幾何学模様を刻む事も可能だったとされるので、時間の概念と天体観測も行われていたものと思われる。モンゴロイドがアメリカ大陸を渡ったのもこの頃である。
約1万2000年前には北米大陸のケベックに隕石が衝突して体長4メートルを越える大型哺乳類がトドメを刺されて絶滅していった。スミロドンやダイアウルフなどの肉食動物も死滅した。人類の人口が2000人まで減少したという話もあるので、この頃の隕石衝突がどれだけの生態系にダメージを与えたのかは計り知れない。約1万5000年前には狼が家畜化されて犬に進化した。
約1万年前に入ると、氷河期が終焉してマンモスやオオツノジカなどの大型の草食動物も絶滅していった。活発だったヨーロッパの火山活動も終息したと言われている。農耕牧畜革命が始まり、人類の定住生活が普及するようになった。
紀元前8800年には銅を精製する技術が生まれたとされている。
紀元前3000年に文明と国家と身分制度と司法制度が作られた。馬車や投石器、弓矢など武器の進化も興った。
紀元前300年頃には宗教や哲学など学問の体型が誕生する。アルキメデスが発見した力学や物理学は戦争の道具に利用されるようになる。処刑道具もこの頃に出来上がる。アレクサンドロスの東征で伝わったヘレニズム文化は古代の建築技術に多大な影響を与えた。アレクサンドリア図書館など文字記録の重要性も高まった。アレクサンドロスの師匠であるアリストテレスは現代の動物門や動物の種類の体系をまとめた研究を残した。
800年頃には火薬と羅針盤と印刷技術が全世界で普及した。唐とイスラム帝国の戦争が原因とされている。
1500年頃には大航海時代に入り、スポンサー(株主)制度が成り立つ。アメリカ大陸とヨーロッパの間で海洋ネットワークが完成するが、同時に人種差別の歴史の始まりでもあった。ルネサンス文化ではレオナルド・ダヴィンチなどごく一部の天才が数百年先の科学技術を構想している。ヨーロッパではペストが大流行していたが、イスラム圏の医療技術とインドの数学がヨーロッパにもたらされてからヨーロッパの中で科学革命が促された。
1800年頃には産業革命とフランス革命を迎える。これによって庶民の間にも個人の権利の主張と自由の定義が行われるようになった。産業革命はありとあらゆる発明品と科学技術を革新させる事に繋がった。フランス革命とナポレオン戦争後の出来事である。
1900年代にはヨーロッパで二度の世界大戦を迎える。人類にとっては悲劇であったが、第三世界が誕生した。人々の生活に余裕が出来たので、植民地支配されていた国が独立したり人種差別の問題もある程度解決されるに至った。二度の世界大戦で更なる技術革新が発展して電気と通信、生物学と化学分野が飛躍的に発展した。戦後の世界に至っては電気と化学と通信が人々の生活の基盤に成り立っている。戦後の世界では黒人や黄色人種の基本的人権が認められ、植民地支配を受けてきた発展途上国も独立していった。人々の生活に余裕があった事とテクノロジーの進歩で新たな娯楽も誕生した。スポーツ観戦やゲーム、漫画、アニメ、映画、ラジオ、テレビ、ドラマ、読書、大衆音楽などのインドア派向けの趣味である。しかし、それが結果的に引きこもりやニートの間接的な原因にも繋がっていった。1980年代には大量消費と大量生産が迎えて、地球環境を危惧する声も高まり、16世紀以降の絶滅動物について語る創作物とメディアも増えていった。だが、1990年代にグローバリゼーションと機械のオートメーション化が整備されるようになると、労働者の雇用不足と職のミスマッチが起こり、消費が低く抑えられる現象も見受けられた。日本ではバブル崩壊後に終身雇用制度と年功序列制度が崩壊して、自殺といじめとリストラが社会問題視されて90年代自体が絶望と斜陽の時代を迎えた。

 

2000年代に入ると、90年代から発展してきたコンピュータと携帯電話などの通信・IT分野が飛躍的な革新を迎えてビジネスと一般家庭に普及した。これをIT革命と呼ぶが、専門的な職種(ITエンジニア)の増加が増えると、旧来活躍していた文系士業や事務職などのオフィスワークの仕事がコンピュータに取って代わられて雇用数が減少した。社会的に需要が高いのは第3次産業のサービス業に限定されたが、ブラック企業化する企業も多く、消費者や経営者もモラル崩壊した者が多かった為、更に職業のミスマッチで自殺やニート化する若者を増加させた。2008年のリーマンショックではギリシャなどの国家も経済破綻を迎える。一方で中国やインドなど人口爆発していた発展途上国が経済発展したケースもある。だが、先進国ではグローバリゼーションと機械のオートメーション化とIT革命で現地の若者は希望職に就けずにニートや自殺化する傾向は高まっている。人々の生活はインターネットの高速化でより便利になり豊かになったが、貧困層やスキルを持たない者との二極化が極端に開き始めている状況なので技術の異常すぎる飛躍的なスピードに人間が着いていけない事を提議する学者も居た。2045年の技術的特異点までには技術は指数関数的に成長していくので、現在以上に技術革新のスピードは速まっていく。しかし、労働における密度と労働時間については長期化と過酷化を極めている状況なので、このまま進んでいけば、人間が出来る限界の仕事も限られていくのではないだろうか?
2045年までにはロボットと3Dプリンタ、乗り物の自動運転の実用化が検討されている。ロボット労働と3Dプリンタが普及すれば、翻訳士や設計・開発職、ITエンジニア、整備士や工員などは必要なくなると予測されている。更に自動運転の車両はトラック運転手やバスの運転手などのサービス業の一部の仕事も奪い取ると予測されている。そして、移民が導入されるとアルバイトや介護・飲食の従業員などの必要性もなくなると予想されているのだ。



<生命の誕生>
約43億年前に青酸カリやシアン化水素などを含んだ猛毒の物質が原始地球の海に溶けていたと言われている。46億年前の地球はガスと塵から発生した岩石のミニ惑星同士の衝突から誕生した高熱の惑星だったと言われている。その為、火山やマントル付近でよく見られる猛毒の物質が原始地球の至る所に点在していたとも言われている。地球表面の岩石は蒸発から発生した水蒸気の大雨で溶けた。岩石に付着していたカルシウムやマグネシウム、カリウムなどは大雨から発生した海に流れて、その元素たちが猛毒な硫化水素や青酸カリと結び付いて核酸に結合したと言われている。やがて核酸はアミノ酸と大量に結合するようになり、それが生命のスープの素になっていった。核酸とアミノ酸の結合から発生したのがDNAで、やがてこれがバクテリアとアーキアと呼ばれる細菌へ進化していく事になる。
約40億年前にはバクテリアとアーキアが誕生した。当時のバクテリアは二酸化炭素や硫化水素を好物にする生命体で、現生の生命にとって猛毒な原子の中でも元気よく自由気ままに動くことが出来たと言われている。
約35億年前にはシアノバクテリアと呼ばれる光合成生物が現れる。この生物は体内に葉緑素を持っていて太陽の光をエネルギーに変換することで活動する生き物だった。しかし、当時の生命にとって光合成で発生した酸素は猛毒でしかなかったので絶滅の危機に晒される事になる。
約28億年前にはシアノバクテリアを捕食するバクテリアと他の細菌を捕食するバクテリアが現れた。捕食の動機は不明だが、人体におけるマクロファージと同じ防衛本能から来る物だったと思われる。シアノバクテリアを捕食して二酸化炭素を放出するようになったバクテリアが動物細胞に進化していった。バクテリアを捕食するバクテリアから身を守る為にバクテリア同士が結合して細胞核が発生する事になる。細胞膜で覆われたその生物は真核生物と呼び、生命体における細胞になっていった。バクテリアを捕食したり融合する中でバクテリアの中で生き続ける生命も存在した。それがミトコンドリアと呼ばれるDNAの情報を読み取り操作出来る要素の事で、細胞はミトコンドリアを取り込む共生関係に落ち着く事になる。バクテリアを捕食するバクテリアの登場は五界と呼ばれる生物界における大まかな分類を定義することになった。モネラ、原生生物、動物、植物、菌類に分類されるそれらの生物はそれぞれ独自の進化をして自然界におけるサイクルを維持する為の役割を担う事になっていく。真核生物の登場は3ドメインと呼ばれる新たな分類も登場する事になった。具体的にはバクテリアとアーキアと真核生物の3種類に分かれる分類方法だ。この時期には最初のスノーボールアースを経験しているが、この時はメタン菌と酸素で活動する生物が生き延びている。ミトコンドリアを取り込んだ真核生物は酸素をエネルギーに還元させる方法も手に入れたのでスノーボールアースを越える事は可能だった。
約7億年前には微生物から海綿動物が出現する事になる。オタビア・アンティクアと呼ばれるその動物は全動物の先祖だと考えられている。この時期にも二度目のスノーボールアースは起こったが火山噴火と地熱活動、それに伴う二酸化炭素と過酸化水素の増大によって氷河は溶ける事になる。
約6億年前にはエディアカラ生物群と呼ばれる動物とも植物とも分からない肉眼で確認可能な多細胞生物が出現する。この時期にはイソギンチャクやクラゲのような刺胞動物が現れていたようで、我々の先祖はクラゲに近い生き物だったと推測されている。